2005 Fiscal Year Annual Research Report
PD1リガンド遺伝子発現による移植免疫寛容の誘導とその心筋細胞移植への応用
Project/Area Number |
15390415
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
榊田 悟 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90311753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30263247)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
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Keywords | 組み替えアデノウイルス / 筋芽細胞 / 免疫寛容 / PD-1リガンド |
Research Abstract |
交付申請書に記載した本年度研究計画(番号同一)に基づき、下記の結果を得た。 1.CARトランスジェニックマウス脾細胞を用いても、組み替えアデノウイルスを用いてPDL1もしくはPDL2を浮遊細胞に強制発現するのは困難で、非常に低い発現しか得られないことが明らかになった。しかもPDL1は静止T細胞表面に一定量発現する事が確認された。 2.上記からPDL1,PDL2アデノウイルスを感染したアロ脾細胞を、アロ宿主に投与することによって移植免疫寛容を得るのは困難であることが予想された。実際、最も免疫寛容が得やすいbm1とB6の組み合わせで少数のパイロットスタディーを行ったが、皮膚移植では生着延長の傾向が認められず、他の移植での検討は断念した。 3.組み替えアデノウイルス抗体をB6マウスに投与した後の、抗アデノウイルスの産生動態をB7.1,B7.2,PDL1,PDL2,ICOSL, CTLA4-Ig, GFP発現アデノウイルスを用いて詳細に検討したところ、PDL1に免疫抑制活性があることが示唆された。ただし、その効果はCTLA-4Igに比べて弱いものであった。 4.アデノウイルスによる浮遊細胞への遺伝子導入は効率が悪かったが、作成したアデノウイルスは培養骨格筋筋芽細胞に良く感染し、高い遺伝子導入効率が試みた総てのB7ファミリー分子に対して得られることが明らかになった。 5.自己骨格筋筋芽細胞を遊離細胞として梗塞心に移植するよりも、培養シートの形で移植する方が、より高い不全心の機能改善効果が得られるごとが明らかになった。 以上、当初の予想に反してPD1リガンドの免疫抑制効果が弱く、臓器移植での急性拒絶反応をPDL1の人為的発現誘導で制御することは困難である事が示唆された。しかし、今回作成したアデノウイルスが心筋再生治療に使用できる事が分かり、アロ細胞移植による梗塞心治療の可能性が示された。
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Research Products
(4 results)