2005 Fiscal Year Annual Research Report
無細胞化凍結気管をScaffoldとする気管再生と再生過程のin vivo観察
Project/Area Number |
15390424
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
長田 博昭 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90121178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 久嗣 杏林大学, 医学部, 助手 (60308476)
井上 肇 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60193603)
長島 鎮 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40386983)
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Keywords | 気管再生 / 拡大内視鏡 |
Research Abstract |
雑種犬(14〜16kg)の10軟骨輪長の縦隔気管を、-82℃で保存してきた。これを37℃の温浴で急速解凍、次にこれをノニオン系界面活性剤で処理し、組織内構成細胞ならびに各種蛋白質を完全除去し、コラーゲン主体の無細胞化マトリックスとした。組織の抗原性が存在しない事はHE染色で細胞が無核であることとした。そして乾熱滅菌装置で滅菌処理、次に凍結乾燥機で真空乾燥させ、長期保存可能な状態とし、移植時は滅菌蒸留水にて膨潤させ、内腔に別に作製したステンレス製スパイラルステントを挿入、内腔を保持し気管Scaffoldとした。このScaffoldを犬縦隔気管切除部へ移植し、有茎大網弁でScaffoldを全周性に被覆した。 Scaffold単独群として移植実験を4頭に行ったところ、術後一週目からScaffold内に組織侵入がみられたが、3頭は一ヶ月目から急激なScaffold内腔の狭搾がみられ、2ヶ月目には気道開存率が10%以下となり犠牲死とした。残る1頭は術後4ヶ月まで、狭搾無く生着したが、絞扼性イレウスで失った。3頭の急激な狭搾原因としてScaffoldに抗原性が存在するのではないかとの仮説のもと、術後免疫抑制剤投与群を3頭作製した。しかし結果は同じであり、現在無細胞処理の改良ならびに、Scaffoldの組織親和性を向上させる対策を行っている。 2005年度、赤外光観察が可能な拡大気管支鏡が導入された。無細胞処理改良の間、気管再生Scaffoldとして吸収素材であるL-乳酸-e-カプロラクトン共重合体(Poly L-lactide-co-e-caprolactone : PCLA)を導入し、犬縦隔気管への移植を5頭行い拡大気管支鏡による血管新生の状態を赤外光システムにより観察を行った。 その結果、インドシアニングリーンを静脈内投与し、約1分以内に生体気管表面の血管が観察された。同様に移植気管内腔表面の新生血管を観察したところ、ScaffoldのPoreに直接観察される血管はNative気管と同じ様に約1分以内で観察された。一方、Scaffold上に侵入した組織が線維化し、その表面に存在する血管はインドシアニングリーンを静脈内投後4〜5分を経過した静脈相と思われる部分においてわずかに観察されるのみであった。 以上から、Scaffoldに有効な血管新生さえあれば、感染などは惹起されず、組織が過剰に侵入し線維化組織が肥厚して内腔狭窄を来すより、良い状態であると考えられた。今後はscaffoldにいかにNative気管同様の血管を新生させるかが気管再生の過程に重要であると考える。
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Research Products
(1 results)