2004 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマテリアル・遺伝子解析を利用した自己骨髄細胞による神経再生治療の研究
Project/Area Number |
15390426
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩崎 喜信 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00113522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 敏 北海道大学, 大学病院, 助手 (10301904)
飛騨 一利 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10238305)
田村 守 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (80089888)
七戸 秀夫 北海道大学, 大学病院, 医員 (80374479)
小林 浩之 北海道大学, 大学病院, 医員 (70374478)
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Keywords | Cerebral stroke / Spinal cord injury / Bone marrow stromal cell / Transplantation / Differentiation / Regeneration |
Research Abstract |
1)骨髄間葉系細胞のマウス脳梗塞あるいはラット脊髄損傷モデルへの移植実験系の確立 細胞株の確立、定位的な移植、移植細胞の組織学的検索(免疫染色など)を確立し、それらの結果はNeuropathology誌、Brain Res Protoc誌に掲載された。 2)脳脊髄に移植された骨髄間葉系細胞の生体内イメージング技術の確立 GFP遺伝子を発現したトランスジェニック・マウスから骨髄間葉系細胞を採取し継代培養を確立した。この細胞をマウス脳梗塞あるいはラット脊髄損傷モデルに移植したのち、移植した細胞が脳や脊髄の中を病変部に向かって遊走する様子を動物が生きたままの状態で観察する実験系を確立した。この所見は組織学的にも確認された。それぞれの結果は、Brain Res Protoc誌に掲載され、J Neurotrauma誌に受理されている。 3)マウス骨髄間葉系細胞の分化誘導 Retinoic acid、bFGF、DMSOを培養液に添加することにより、骨髄間葉系細胞が形態学的に変化し、nestin、Tuj-1、MAP2、NeuNといった神経細胞に特有の蛋白質を産生することを蛍光免疫染色法により明らかとした。 4)骨髄間葉系細胞の分化誘導前後におけるDNAマイクロアレイ 骨髄間葉系細胞から十分量でqualityの高いRNAの分離に成功し、DNAマイクロアレイを実施した。その結果、分化誘導により骨髄間葉系細胞のDNAプロフィールが変化し、骨・軟骨・結合組織に多く発現するたんぱく質のDNA発現が減少していることが判明した。また、bFGF、BDNFなどの神経細胞への成長因子のDNAが発現していることが判明した。これらの結果をJ Neursci Res誌に投稿中である。 5)バイオマテリアルとしてのフィブリン・ネットワークの開発 ニワトリ胎仔神経節をさまざま条件で作成されたフィブリン・ポリマーの中で培養した。神経突起の伸長に最適なフィブリン・ポリマーの組成が明らかとなった。このフィブリン内で骨髄間葉系細胞を培養し、生存可能であることを確認した。フィブリン・ポリマー内に封入した骨髄間葉系細胞を移植するための動物モデルを新たに2つ開発した。
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Research Products
(4 results)