2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390430
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英明 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70236305)
山中 龍也 新潟大学, 脳研究所, 講師 (20323991)
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Keywords | p53 / アデノウイルスベクター / 温熱治療 / 遺伝子治療 / グリオーマ |
Research Abstract |
in vitroでの評価 1)TUNEL定量解析では、p53単独ではアポトーシスが誘導されるものの、43度加温単独ではアポトーシスが誘導されなかった。しかし、両者併用では、より強いアポトーシスが誘導され、これは43度加温によるアポトーシス増強作用と考えられた。このアポトーシス増強効果は、腫瘍細胞の内在性p53の状態にかかわらず認められた。 2)カスパーゼ阻害実験では、U373-MG細胞に対する治療でのみ、カスパーゼ依存性のアポトーシスが誘導されることがわかった。 3)サイクリン依存性阻害因子の蛋白発現アッセイでは、p53遺伝子導入時のみ、p21蛋白の上昇が認められた。 In vivoでの評価 1)ヌードマウスにU373グリオーマ細胞を皮下注し、皮下腫瘍モデルを作成した。腫瘍は5-7日で生着し、皮下腫瘍モデルとして有用であることを確認した。 2)皮下腫瘍マウスに、腹腔内投与による麻酔後、恒温槽で43度加温を、皮下腫瘍(左大腿部)に限局し施行。全身への影響を考慮し、30分間の加温とした。この試験加温は、マウスの呼吸、体重、食欲、活動性などの因子に影響を与えなかった。 3)さらに、以下の4群(各6匹)にわけて、治療を行った。 a)コントロールベクター局所注射+37度加温、b)コントロールベクター局所注射+43度加温、c)p53遺伝子ベクター局所注射+37度加温、d)p53遺伝子ベクター局所注射+43度加温。結果は、b〜dいずれの群もコントロールのa群と比し、有意な腫瘍増殖抑制効果は観察されなかった。今後、加温に関しては、1)加温の反復、2)針電極による加温の使用、また、p53遺伝子導入に関しては、1)tetracycline p53遺伝子発現制御、2)より高い導入効率のリボゾームの使用、などの考慮が必要である。
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Research Products
(1 results)