2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
多田 剛 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (00236530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小戝 健一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (90258418)
中村 敏一 大阪大学, 医学部・医学系研究科, 教授 (00049397)
田中 雄一郎 信州大学, 医学部・脳神経外科, 助教授 (70192177)
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Keywords | 交通性水頭症 / HGF / TGF-beta / マウス / 繊維化 / 空間認識能 / 脳室拡大 / シャント術 |
Research Abstract |
交通性水頭症は時に髄膜炎や脳内出血に続発する。また時として老齢者に特発性に出現する。複数の剖検例の組織学的研究では髄液流通路の繊維化が1つの原因とされている。交通性水頭症の治療としてこれまでシャント術以外に方法はないが、シャント術では人工物質を体内に埋め込むために,多くの合併症を生じる。HGFは肝硬変や肺繊維症などの体の様々な繊維化を特徴とする疾患の治療に役立つサイトカインではないかと考えられている。我々はHGFの脳室内投与で実験的にTGF-β1で誘導したマウス水頭症を回復させることができるかどうかについて検討した。 方法 交通性水頭症は生後10日目のC57BL/6マウスの頭蓋骨下にヒト型リコンビナントTGF-β1を注入することで作成した。これらのマウスはモリス水迷路とMRIで空間認識能障害と脳室拡大があるのを確認した後に,ヒト型リコンピナントHGF30μgを浸透圧ポンプを用いて7日間あるいは14日間掛けて脳室内に注入した。注入終了後,4週後に再度MRIと水迷路で脳室の大きさと空間認識能を測定した。髄液の流れはCT脳槽造影とインクテストで調べた。髄膜を組織学的に調べた。 結果 MRIでは脳室拡大の改善がみられた。また,HGFを7日間で投与した水頭症マウスでは障害されていた空間認識能が正常化した。さらに,CT脳槽造影で造影剤の明らかな停滞がみられた水頭症マウスの髄液還流はインクテストで正常化した。組織学的にも髄膜内の膠原繊維の減少と構造の正常化が観察された。 以上より,HGFはヒトの水頭症に対しても役立つ可能性が強く示唆された。 現在、論文として、国際雑誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hua Zhan, Tsuyoshi Tada, Fumi Nakazato, Yuichiro Tanaka, Kazuhiro Hongo: "Spatial learning transiently disturbed by intraventricular administration ob ouabain"Neurological Research. 26. 35-40 (2004)