2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390440
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 和雄 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90150341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相原 徳孝 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00264739)
間瀬 光人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60238920)
片野 広之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30295612)
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Keywords | 神経機能障害 / 内包障害モデル / 線条体出血モデル / 神経幹細胞移植 / 黒質変性 / ミオイノシトール・トランスポーター / メタアンフェタミン誘発回転運動 / BDNF |
Research Abstract |
脳出血後の神経再生による機能回復を図る研究のため、ラット脳出血モデルを開発した。本モデルはコラゲナーゼ注入による自然脳出血であり、ヒト脳出血モデルとして有用である。また脳出血により内包障害が確実に、同程度に起こるので、内包機能障害モデルとして有用であった。出血後の片麻痺をビデオ行動量分析装置で解析し、脳出血後の運動量の低下が起こることを明らかにした。また、メタアンフェタミンによる回転運動誘発試験では、血腫量が多いほど回転運動も多く見られることを明らかにした。本モデル動物の組織学的検索では、出血側の黒質でミオイノシトールトランスポータの発現亢進があり、同部位にはマクロファージ/マイクログリアの浸潤がみられ、その後神経変性が起こることを明らかにした。この線条体出血後の黒質変性が、メタアンフェタミン誘発回転運動と関連することを明らかにした。また出血周囲脳ではBDNFのmRNAならびに蛋白発現が起こり、神経幹細胞移植に適した環境を提供していることを明らかにした。ついで神経幹細胞移植実験を行ったところ、神経幹細胞の明らかな生着が見られること、周囲脳とネットワークを形成する傾向があることをあきらかにした。しかし、その生着率は、胎仔脳組織細胞を移植した場合に比べ低く、またネットワーク形成も十分ではないことが明らかとなった。そこで、生着率の向上とより高い機能改善を図るため、骨髄細胞など別のドナーとなりうる細胞の調整、遺伝子導入神経幹細胞の調整と移植実験を準備したが、計画期間中にはこれらのデータを得るまでには至らなかった。また、免疫抑制剤の投与による効果の解析、神経突起(軸索)のガイダンスにより運動神経の軸索誘導をはかり、皮質脊髄路を再構築し、片麻痺を改善する実験までは期間の関係で至らなかった。
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Research Products
(6 results)