2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍抗原を用いた免疫モニタリング法および抗原特異的な免疫療法の開発
Project/Area Number |
15390444
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
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Keywords | HSV / 脳腫瘍抗原 / SEREX / 癌ワクチン / エピトープ解析 / 免疫モニタリング |
Research Abstract |
我々はグリオーマ細胞由来のDNAライブラリーを作製し、グリオーマ患者血清を用いてSEREX(serological identification of antigens by recombinant expression cloning)解析を行い、IgGに認識される脳腫瘍抗原を同定している。本年度はさらに精巣組織由来のcDNAライブラリーからSEREX法によりクローニングされた転写調節因子であるSOX6遺伝子に着目して、抗原特異性およびT細胞エピトープの解析を行った。 第一にSOX6遺伝子の発現を検討したところ、SOX6はグリオーマ組織や胎児脳組織において高い発現が認められたが、成人正常組織には精巣を除いてほとんど発現が認められなかった。またWestern blot解析では、SOX6蛋白は成人脳組織に発現を認めず、グリオーマ組織において高い発現が観察され、免疫組織学的解析において、解析した18例のグリオーマ組織(Glioblastoma 8例、Anaplastic astrocytoma 5例、Diffuse astrocytoma 1例、Oligoastrocytoma 4例)全例においてSOX6陽性細胞を認めた。 一方、T細胞に認識されるエピトープ解析として、日本人に多いHLA-A24およびHLA-A2に結合するT細胞エピトープ候補ペプチドを10種類合成した。次に、それぞれのHLAタイプの末梢血リンパ球を、合成した候補ペプチド存在下で培養し、グリオーマ反応性CTL(cytotoxic T lymphocyte)の誘導能を解析したところ、HLA-A24で2種類、HLA-A2で1種類のグリオーマ抗原ペプチドを同定した。 今後は、SOX6抗原を用いた免疫モニタリングおよび抗原特異的な免疫療法への応用の検討を行っていく予定である。
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Research Products
(14 results)