2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍抗原を用いた免疫モニタリング法および抗原特異的な免疫療法の開発
Project/Area Number |
15390444
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
|
Keywords | HSV / 脳腫瘍抗原 / SEREX / 癌ワクチン / エピトープ解析 / 免疫モニタリング |
Research Abstract |
本研究では、脳腫瘍抗原に対する免疫応答解析法の開発を目的として、グリオーマ患者血清を用いたSEREX(serological identification of antigens by recombinant expression cloning)解析により同定された転写調節因子SOX6抗原に着目して、T細胞に認識されるエピトープペプチドの解析を行った。HLAクラスI typeの中で、日本人に最も多い型であるHLA-A24結合性のペプチドを2種同定し、実際にT細胞に抗原特異的かつHLA拘束性に認識されうるペプチドであることを証明した。さらにこれら同定したペプチドを用いて、末梢血から誘導した樹状細胞と共培養したT細胞が、SOX6を発現するグリオーマ細胞を特異的かつHLA拘束性に障害することを明らかにした。以上、グリオーマ抗原SOX6由来、HLA-A24結合性のT細胞エピトープペプチドを同定し、抗原特異性、HLA結合性、T細胞誘導能を証明した。現在、抗原ペプチド特異的なT細胞を検出するため、同定したペプチドを用いたHLAテトラマーの作製を行っており、平行して、ペプチド特異的に反応するT細胞内サイトカイン(IFN-γ)を検出するシステムを構築している。 また、本研究では脳腫瘍に対する新たな免疫療法の開発を目的として、SOX6抗原とヘルペスウイルス(HSV)を用いた複合的免疫治療の解析を行っており、マウス脳腫瘍モデルにおいて、SOX6遺伝子を用いたDNAワクチンとHSVをアジュバントとして同時に投与することにより、グリオーマ特異的な免疫を誘導することを明らかにした。今後は、臨床応用へ向けてより有効な免疫療法の開発を進めてゆく予定である。
|
Research Products
(12 results)