2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレーを用いた神経因性疼痛の機序解明
Project/Area Number |
15390473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00232843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 隆弥 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00335358)
柴田 政彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50216016)
真下 節 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60157188)
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Keywords | 慢性疼痛 / マウス / 疼痛モデル / DNAマイクロアレー / 脊髄 / パッチクランプ / 神経可塑性 / 電気生理 |
Research Abstract |
神経因性疼痛の原因となる神経系の機能構造的変化を解明することは、その治療法を確立するためにも必須である。そこで、近年、神経因性疼痛の機序解明に関して、坐骨神経結さつのような末梢神経損傷ラットや糖尿病性ラットを用いた代謝性神経痛モデル等を使用したいくつかの実験的慢性疼痛モデルが使用され、痛覚伝達に関与する末梢および中枢神経系の種々な機能的、構造的変化に伴うことが、少しずつ解明し始めてきた。しかし、臨床上の神経因性疼痛の原因は、多岐にわたることを考えると、複雑な神経ネットワークにおいて、慢性疼痛を発生するためには多因子の複雑な構造機能的な可塑的変化が生じていると考えられている。そこで、神経因性疼痛の多因子メカニズムを遺伝子レベルで解析するために、近年の遺伝子工学の進歩を利用した最先端の技術であるDNAマイクロアレイの技術を使えば、実験的慢性疼痛モデルでの一次、2次求心性ニューロンの遺伝子産物の変化を包括的に解析が可能と考えた。 本研究では、各種の要因によるマウス神経因性疼痛モデルにおいて、マウスDNAマイクロアレイプレートを用いて、DRGと脊髄後角レベルでの神経遺伝子発現プロファイルを広範囲にかつ経時的に評価し、それぞれのモデルでの神経可塑的変化を解明することを目的とする。 15年度には、1)機械的神経損傷によるA)脊髄神経結さつ(SNL)、B)脊髄神経離断(SNTx)、C)坐骨神経結さつ(CCI)、D)糖尿病性代謝性神経炎、E)抗がん剤による化学的神経炎の5つマウス神経経因性モデルによって、機械的刺激(Von Frey刺激法)と熱刺激(radiant heat)に対する疼痛過敏反応を測定する実験系の確立する予定であったが、マウスにおける脊髄神経結さつ(SNL)慢性疼痛モデルを作成するとともに、脊髄での機能的変化を評価するために、マウス脊髄スライスパッチ法による脊髄後角第2層のSG(Substantia Gelatinosa)細胞の電気生理学的機能評価法を確立した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takahashi A, Kawasaki N, Mashimo T, Uchida I: "Effects of propofol on inhibitory neurotransmissions in substantia gelatinosa neurons of dorsal horn and hippocampal neurons in the mouse"PGA 57 (The New York State Society of Anesthesiologists Abstract. 142-142 (2003)
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[Publications] 高橋亜矢子, 内田一郎, 真下節: "脊髄後角膠様質細胞と海馬錐体細胞における抑制系シナプス伝達に対するプロポフォールの作用"第51回日本麻酔科学会総会. (発表予定). (2004)
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[Publications] 内田一郎: "イオンチャンネル、細胞内信号伝達"麻酔科学スタンダード基礎各論:小川節郎, 新宮興, 武田純三, 西野 卓 編 克誠出版(出版予定). (2004)