2003 Fiscal Year Annual Research Report
尿路上皮癌の放射線感受性を規定する遺伝子の発現パターンの解析とその臨床応用
Project/Area Number |
15390482
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
篠原 信雄 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90250422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10241316)
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Keywords | 膀胱癌 / マウス皮下移植モデル / 放射線感受性 / 臨床検体 / p53の変異 / 遺伝子発現 / DNAアレイ解析 |
Research Abstract |
平成15年度の実験計画に従って、実験を実施中である。以下に研究の実績につき報告する。 1.膀胱癌細胞株マウス皮下移植モデルの作成と放射線感受性試験:膀胱癌細胞株(UMUC-2,T24,KU-1)をSCIDマウスの皮下に移植した後に、放射線照射施行。放射線照射線量として、低用量線量として5Gy、高用量線量として15Gyを選択。経時的に腫瘍径を測定し、腫瘍増殖カーブを作成。未治療群の間でtumor growth delayを算出。In vivoでの放射線感受性試験の方法を樹立。 2.腫瘍細胞の遺伝子発現パターンのDNAアレイ解析:膀胱癌細胞株を用いたDNAアレイ解析は行ったが、特徴的な遺伝子異常はみられなかった。 臨床検体のマウス皮下移植モデルの作成と放射線感受性試験:経尿道的膀胱腫瘍切除術施有例20例、膀胱全摘術等外科的切除例10例から得られた組織を3-5mm大に細切、SCIDマウスの皮下に移植し腫瘍を形成させるXeno-transplant modelの樹立にかかった。結局、30例中15例〔50%〕でSCIDマウス皮下への腫瘍移植に成功。これら細胞のうち11例でSCIDマウス上での継代に成功。11例中、5例は固形腫瘍パターンの増殖を、また残り6例は嚢胞パターンの増殖を示した。またp53のmutationの有無につき、解析した結果、11例中4例でmutationを確認したが、このmutation継代によっても維持された。Ki67のlabeling indexは8.6%-65.6%であったが、これらの数字は継代後、若干上昇した。現在、4例の固形腫瘍パターン(p53陽性1例、陰性3例)を示した移植腫瘍モデルを用い、tumor growth delayをパラメーターとした放射線感受性試験を実施した。
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