2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390495
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 祐太郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40238134)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40264733)
|
Keywords | オステオポンチン / 尿路結石症 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
OPNは糖鎖を伴うリン酸化蛋白で多くの機能を持ち、結石関連蛋白では最も重要と考えられている蛋白の一つである。これまでに、結石形成時にOPNが遠位尿細管で過剰に発現することを報告してきた。 家族歴のある結石患者は再発歴が有意に高いことが報告されており、遺伝素因の存在を示唆している。しかしながらOPN遺伝子要因が結石にどのように関連しているかの詳細については明らかではない。一塩基多型(single nucleotide polymorphism(SNP))はゲノム配列上の単一の塩基が変異する現象で、癌、糖尿病、循環器病などの多因子疾患で、遺伝要因を診断する目的で用いられている。我々は結石患者およびコントロールの血液よりゲノムDNAを抽出し、SNP解析のための特異的なprobe(TaqMan probe)を用いた5'nuclease assayによって、既に報告されているOPNのSNPのうち、アミノ酸配列置換が生じるcoding SNPであるA-9402→G(Arg→His)を解析して、尿路結石症患者とコントロールの間に有意差を認めた。OPN遺伝子の全配列にあるSNPsと尿路結石との関係を調べるために、direct sequencingの方法でOPN遺伝子に対してre-sequencingを行い、69個のSNPsを同定した。遺伝統計学的に解析し、OPN遺伝子のpromoter領域にある4つのSNPsからのhaplotypesが尿路結石症と関係があることが判明した。さらに分子生物学手法により、そのhaplotypeの機能が徐々に明らかになってきている。われわれの研究成果はOPNの遺伝子多型と結石のリスクが関連し、診断に有用であることを示している。
|