2004 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌のパクリタキセル耐性機序に関わる候補遺伝子の同定と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
15390509
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平川 俊夫 九州大学, 大学病院, 講師 (20218770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 裕明 九州大学, 大学病院, 助手 (70260700)
園田 顕三 九州大学, 大学病院, 助手 (30294929)
尼田 覚 九州大学, 大学病院, 助手 (10294919)
上岡 陽亮 九州大学, 大学病院, 助手 (50372743)
小川 伸二 九州大学, 大学病院, 助手
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Keywords | 卵巣癌 / 薬剤耐性 / パクリタキセル / マイクロアレイ |
Research Abstract |
パクリタキセル耐性候補遺伝子の同定の目的で、(1)培養中のin vivo樹立パクリタキセル耐性株(OM1TX6)および対照株(OMIP6)よりtotal RNAを抽出し、また(2)耐性株および対照株をマウスに皮下移植して作成した腫瘍塊(OM1TX6TおよびOM1P6T)からもtotal RNAを抽出した。cDNAを精製後、cDNAマイクロアレイ法により癌関連遺伝子の発現プロファイルを、解析(1)、解析(2)のそれぞれについて耐性株および対照株の2群間で比較検討し、耐性株に特異的に発現が冗進または低下している遺伝子の同定を試みた。なおcDNAマイクロアレイ法はAffymetrix社のMotolora Codelink Bioarrays (Human)を用いて行い、結果の解析にはCode Link^<TM> System Software version 2.2.25を用いた。解析(1)に用いた遺伝子数は9,063であり、OM1TX6の発現がOM1P6の2倍以上であった遺伝子数は298であった。また解析(2)に用いた遺伝子数は8,660であり、OM1TX6Tの発現がOM1P6Tの2倍以上であった遺伝子数も同じく298であった。これまでの実験により、(1)in vivo耐性株のパクリタキセル耐性能はin vivo環境下でしか発揮されなかったがこれには少なくとも腫瘍内パクリタキセル濃度の差が関与していること、(2)in vivo耐性株は対照株に比しin vivo環境下でのみ腫瘍増殖能が亢進していることが判明しているので、今後は抽出された遺伝子群についてこのような機能と対応させて解析を進める予定である。
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