2004 Fiscal Year Annual Research Report
耳管開放症および閉鎖不全耳管の精密診断と新しい治療法の開発に関する総合的研究
Project/Area Number |
15390513
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 俊光 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80133958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 哲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50169728)
千葉 敏彦 東北大学, 病院・助手 (70280881)
佐藤 利徳 東北大学, 病院・助手 (00336166)
吉田 尚弘 東北大学, 病院・助手 (90291260)
和田 仁 東北大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30111264)
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Keywords | 耳管開放症 / 音響学的診断法 / 座位CT / 経鼓室的耳管ピン挿入術 |
Research Abstract |
1.耳管開放症の音響学的特性評価法の開発,自声強聴の発生メカニズムの解明 開放耳管の音響特性評価法の開発を前年度に続いて行った。その結果、新たに経鼻腔雑音負荷聴力検査という新しい検査法を確立するに至った。この方法は鼻腔からノイズを提示し、開放耳管であればこのノイズによって、経外耳道的に聞かせた音が低音域を中心として、マスキングされる現象を利用して、開放耳管の有無、程度を評価しようというものである。これまでにない、新たな耳管開放症の診断法として、確立できる見込みである。 2.開放耳管の客観的重症度診断のための精密画像診断法の開発 1)汎用型座位CT装置を使用して、わが国で初めて耳管診断への応用可能性を検討した。この結果、バルサルバ法を負荷前後で耳管CTを撮影することで、耳管開放症の重症度ならびに、全長にわたる形態診断ができることが判明した。 2)耳管MRIを用いた耳管病理の解明を行った。耳管開放症では従来、いわれたOstmann脂肪体の減量以外にも種々の病態があること、耳管周囲の筋組織以外にも、翼突筋や静脈叢なども耳管開放症の症状の有無に影響されることが判明した。 3.最重症例に対する経鼻的耳管形成術の開発 経鼻的耳管ピン挿入術は一部の症例に成功したが、さらに挿入するピンの工夫、脱落防止法などの改良を要することが判明した。 4.経鼓室的耳管ピン挿入術の評価 42例における成績を評価した。約75%の症例で有効であり、これまで難治例に対しては有効な治療法の無かった耳管開放症の新しい治療法として確立できる見通しが立った。
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