2003 Fiscal Year Annual Research Report
フリーラジカル、アポトーシスの制御による内耳感覚細胞障害の再生の分子生物学的研究
Project/Area Number |
15390519
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
工田 昌也 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00179590)
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Keywords | 内耳 / 一酸化窒素 / 活性酸素 / アポトーシス / 感覚細胞 / ニューロトロフィン / ゲンタマイシン |
Research Abstract |
本年度は研究計画に従い内耳障害の基本的機序にはフリーラジカルとアポトーシスが関係していること、耳毒性薬剤による障害が、抗酸化剤、NOS抑制剤、ニューロトロフィン、アポトーシス抑制剤により軽減されることを、in vitroの実験系を用いて明らかにした。さらに、これらの感覚細胞障害軽減作用には各種薬剤によりフリーラジカルの産生が制御され、それによりアポトーシスが抑制されたことが強く関わっていることが明らかとなった。続いて、各種薬剤の併用効果を検討した結果、抗酸化剤+ニューロトロフィンというような作用機序の異なる薬剤の組み合わせで相乗効果が得られることが確認された。また、感覚細胞障害予防の観点から、HSPに注目しその内耳での働きを検討した結果、teprenoneの投与により、内耳に安全にHSPが誘導され、それにより感覚細胞障害の予防効果が発現することが明らかとなった。また、ラット感染モデルを用いた実験で抗酸化剤が聴力障害を予防する効果があること、抗酸化剤は鼓室内投与、全身投与のいずれでも有効であることが明らかとなった。さらに、実際の臨床レベルでメニエール病のめまい、難聴に関して抗酸化剤を投与して治療効果を検討した結果良好な成績が得られた。一方、内耳障害の機序の一つとして中耳からLPSが効率に内耳に移行すること、移行経路には様々な経路があることを明らかにした。 これらの成果は40th Workshop on Inner Ear Biology、第13回日本耳科学会、第62回日本めまい平衡医学会で発表されると共に6編の論文にまとめられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takumida M, Anniko M, Shimizu A, Watanabe H: "Neuroprotection of vestibular sensory cells from gentamicin ototxicity obtained using nitric oxide synthase inhibitors, reactive oxygen species scavengers, brain-derived neurotrophic factors and calpain inhibitors"Acta Otolaryngol. 123. 8-13 (2003)
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[Publications] 工田昌矢, 清水顕, 大谷真喜子, 竹田泰三: "メニエール病の新しい薬物療法"Equilibrium Res. 62. 132-138 (2003)
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[Publications] Shimizu A, Takumida M, Anniko M, Suzuki M: "Calpain and caspase inhibitors protect vestibular sensory cells from gentamicin ototoxicity"Acta Otolaryngol. 123. 459-465 (2003)
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[Publications] Takumida M, Anniko M, Ohtani M: "Radical scavengers for Meniere's disease after failure of conventional therapy : a pilot study"Acta Otolaryngol. 123. 697-703 (2003)
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[Publications] 工田昌矢: "中耳炎による内耳障害の発症機序と治療について"Otol Jpn. 14. 36-38 (2004)
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[Publications] Takumida M, Anniko M: "Localization of endotoxin in inner ear following inoculation of endotoxin into the middle ear"Acta Otolaryngol. (印刷中).