2004 Fiscal Year Annual Research Report
眼ヘルペス感染症におけるウイルス増殖・免疫反応に関する分子機構の解明
Project/Area Number |
15390531
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 幸次 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大 国立大学法人鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
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Keywords | 角膜ヘルペス / 単純ヘルペスウイルス / ヘルペス性角膜内皮炎 / real-time PCR / 角膜上皮細胞 / サイトカイン / ケモカイン / T細胞 |
Research Abstract |
前年度に確立したreal-time PCR法を用いて、臨床例における単純ヘルペスウイルス(HSV)の定量およびマウスヘルペス性角膜炎モデルにおける三叉神経節でのHSVの定量をおこなった。内皮炎の前房水では152コピー/μl、虹彩炎の前房水では21-1550コピー/μl、非定型的な上皮炎の涙液では120-190コピーのHSVを検出できた。また、HSV CHR3株をC57BL/6マウスに感染させたモデルでは感染翌日の三叉神経節で10^3-10^4コピーのHSV DNAを検出し、5日目には平均10^7コピーに達し、その後漸減していく状況が明確に把握でき、ウイルス力価を測定する方法に比べて、一度に多くのサンプルを処理できることから、臨床的な有用性だけでなく、HSV感染実験においてウイルスの伝播を把握する際にもきわめて有用な方法であることが示唆された。 一方、ヘルペス性角膜炎において種々の免疫細胞やサイトカインがその病態において重要な働きを担っていることが示されているが、今回、主としてTh1細胞に表現されているケモカインレセプターであるCCR5(MIP-1αやRANTESがリガンド)とCXCR3(IP-10がリガンド)のdouble knockout mouseを用いてHSVを角膜感染させたところ、C57BL/6に比較して角膜混濁が軽症となることが判明した。 また、角膜ヘルペスにおけるホスト角膜固有の細胞とHSVの関係を、角膜以外の細胞とHSVの関係と比較するため、SV-40不死化ヒト角膜上皮細胞に加えて角膜実質細胞の培養をおこなった。そして、これらの細胞と角膜以外の細胞の代表としてのHEL細胞に、種々の条件でHSVを感染させた際に誘導される因子を網羅的に検討するため、マイクロアレイ法の施行条件を整備し、clustering解析を含めた種々の統計学的検討が可能な体制を確立した。
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Research Products
(1 results)