2006 Fiscal Year Annual Research Report
眼ヘルペス感染症におけるウイルス増殖・免疫反応に関する分子機構の解明
Project/Area Number |
15390531
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Research Institution | Tottori university |
Principal Investigator |
井上 幸次 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / 実質型角膜ヘルペス / ケモカインレセプター / 角膜 / 三叉神経節 / real-time PCR / Th1細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
【目的】 Th1細胞に選択的に発現しているケモカインレセプターCXCR3およびCCR5のヘルペス性角膜実質炎(HSK)における役割を明らかにする。 【方法】 Wild、CXCR3欠損(KO)、CCR5KOおよび両レセプターKO(DKO)マウスを用いてHSK臨床所見の差異を比較検討した。また免疫染色、Real-time PCR、RNas Protection Assay、およびウイルス力価測定による評価も行った。さらにWildマウスより抽出したリンパ球をDKOマウスに移入し、移入DKOマウスにおけるHSK臨床所見を検討した。 【結果】 HSK臨床所見はCXCR3KO、CCR5KOマウスでは有意差を認めなかったが、DKOマウスでWildマウスと比べて有意に抑制を認めた。組織学的評価では、角膜に浸潤している好中球、CD4陽性細胞、CD8陽性細胞がDKOマウスで有意に減少していた。Real-time PCRにより解析した感染角膜におけるケモカインおよびケモカインレセプターの発現では、WildマウスとDKOマウスの間に有意差を認めなかった。眼局所における代表的細胞表面抗原のmRNA発現は、DKOマウスで著明に低下していた。ウイルス力価は眼局所で有意差を認めず、三叉神経節では感染5日後にDKOマウスの力価が有意に増加した。移入DKOマウスではWildマウスとほぼ同等の臨床所見を呈した。 【結論】 DKOマウスでは、Wildマウスと比べて眼局所のウイルス力価が上昇することなくHSK臨床所見および炎症所見の抑制を認めた。CXCR3およびCCR5はHSK発症に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)