2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨の発生と再生における新規細胞外基質分解酵素ADAMTSの発現と役割に関する研究
Project/Area Number |
15390550
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹野 泰之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30196191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 一郎 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (70241643)
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80224640)
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Keywords | 骨 / 発生 / 再生 / 細胞外基質 / ADAMTS / 遺伝子発現 / in situ hybridization / ラット |
Research Abstract |
申請者らの最近の研究で、骨発生過程において骨芽細胞と骨細胞がMMP-8とMMP-13を発現し細胞外基質を分解することが示唆された。また、申請者等は予備的研究で、骨の再生過程でも骨芽細胞や骨細胞がMMPを発現し、骨基質の改造に関与することを示している。本研究計画ではMMPとは異なる新規の細胞外基質タンパク分解酵素群であるADAMTSファミリーに注目し、骨の発生と再生における発現と役割について、MMPファミリーと比較して検討することを目的とする。ラットの骨の発生と再生の過程を研究対象とし、ADAMTSファミリーとMMPファミリーの発現の動態を分子生物学的、遺伝子組織化学的及び免疫組織学的に検索する。 平成15年度では、骨の発生・形成過程におけるADAMTSファミリーの発現を以下に示すように分子生物学的及び遺伝子組織化学的に検討した。 (1)胎生13〜20日齢及び生後1日〜4週齢のラット上下顎骨を研究対象とした。 (2)各骨発生・形成段階の試料からRNAを抽出し、ADAMTSファミリーの遺伝子発現をRT-PCRで検討した。 (3)各骨発生・形成段階の試料を固定し、必要に応じて脱灰しパラフィン包埋試料または凍結試料として連続切片をつくり、隣接切片を用いてADAMTSファミリーの遺伝子発現の局在をin situハイブリダイゼーションで検討した。 骨発生・形成の過程で、RT-PCRにより、上下顎におけるADAMTS-1,-4,-5,-9の遺伝子発現が認められた。またin situハイブリダイゼーションにより、これらのADAMTSファミリーの遺伝子発現が骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞等に局在することが、明らかとなった。さらにADAMTSファミリーを発現する細胞は、同時に基質と想定されるバーシカンやアグリカンも発現する可能性が示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hatori K, Sasano Y, 他: "Osteoblasts and Osteocytes Express MMPs 2,8,TIMPs 1,2 and 3 along with Extracellular Matrix Molecules during Appositional Bone Formation"Anat Rec. (in press). (2004)
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[Publications] Maruya Y, Sasano Y, 他: "Expression of extracellular matrix molecules, MMPs and TIMPs in alveolar bone, cementum and periodontal ligaments during rat tooth eruption"J Electron Microsc. 52. 593-604 (2003)
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[Publications] Bae JW, Takahashi I, 他: "Age-related changes in gene expression patterns of matrix metalloproteinases and their collagenous substrates in mandibular condylar cartilage in rats"J Anat. 203. 235-241 (2003)
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[Publications] Takahashi I, 他: "Gene expression of MMP-8 and MMP-13 in PDL during tooth movement in rats"J Dent Res. 82. 646-651 (2003)
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[Publications] Takahashi I, 他: "Effect of stretching on gene expression of b1 integrin and focal adhesion kinase and chondrogenesis through cellextracellular matrix interactions"Eur J Cell Biol. 82. 182-192 (2003)