2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨の発生と再生における新規細胞外基質分解酵素ADAMTSの発現と役割に関する研究
Project/Area Number |
15390550
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹野 泰之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30196191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80224640)
高橋 一郎 東北大学, 病院・講師 (70241643)
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Keywords | 骨 / 発生 / 再生 / 歯 / 萌出 / ADAMTS / バーシカン / in situ hybridization |
Research Abstract |
申請者等の最近の研究で、骨の発生と再生の過程において骨芽細胞と骨細胞がMMP-8を発現し細胞外基質を分解することが示唆された。さらに、歯の萌出過程で象牙芽細胞、セメント芽細胞、歯根膜細胞、骨芽細胞、骨細胞等がMMP-2、MMP-8等を発現し歯根の成長と歯周組織の改造に関与することを示している。本研究計画ではMMPとは異なる新規の細胞外基質タンパク分解酵素群であるADAMTSファミリーに注目し、骨の発生と再生、および歯の萌出過程における発現について、基質であるバーシカンの発現と比較して検討することを目的とした。ラットの骨の発生と再生、および歯の萌出過程を研究対象とし、ADAMTSファミリーとバーシカンの発現の動態を分子生物学的及び遺伝子組織化学的に検索した。 平成15年度では、骨の発生・形成過程におけるADAMTSファミリーとバーシカンの発現を分子生物学的及び遺伝子組織化学的に検討した。 平成16年度では、歯の萌出過程におけるADAMTSファミリーとバーシカンの発現を以下に示すように検討した。 (1)生後1、2、3、4及び6週齢のラット上顎第一臼歯を研究対象とした。 (2)歯の各萌出段階の試料を固定して脱灰しパラフィン包埋試料として連続切片をつくり、隣接切片を用いてADAMTS1、4、5及びバーシカンの遺伝子発現の局在をin situハイブリダイゼーションで検討した。 歯の萌出過程で、ADAMTS1、4、5及びバーシカンの遺伝子発現が歯髄細胞、象牙芽細胞、セメント芽細胞、セメント細胞、歯根膜細胞、骨芽細胞、骨細胞に局在することが明らかとなった。ADAMTSファミリーの各分子とバーシカンの発現は時間的にも空間的にも類似していた。これらの細胞は、バーシカンを産生すると同時に、ADAMTSファミリーを分泌してバーシカンを分解する可能性が示された。
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Research Products
(3 results)