2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390554
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80251544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 正人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313228)
江藤 一洋 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30014161)
中原 貴 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (10366768)
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Keywords | 頭蓋冠 / 冠状縫合 / マウス胎児 / 線維芽細胞増殖因子 / Twist / 縫合閉鎖 |
Research Abstract |
FGF18浸漬ビーズをマウス胎児頭蓋冠冠状縫合部へ作用させた際の、Fgfr1、Osteopontin、BSP(bone sialoprotein)、Osteocalcin等、骨芽細胞の分化過程で発現する遺伝子のup-regulationを確認した。ビーズ作用後に実際の出産時期まで胎児を成長させた場合には(96時間ぐらいまで)前頭骨と頭頂骨のドメインがほぼ癒合するようになり、FGF18が非可逆的に作用することが示唆された。それぞれの遺伝子によってup-regulationの開始時期が微妙に異なるものの、ビーズ作用から4〜8時間以内に遺伝子発現変化がおきていることから、ビーズ作用後作用部位周囲の髄膜層を含めた組織のRNAを抽出し、現在DNA micro arrayによる解析を行っている。 ヒトTWIST遺伝子のhaploinsufficiencyは冠状縫合が早期閉鎖する頭蓋骨癒合症の原因であり、Twist欠損マウスのヘテロ接合体は生後にゆっくりと冠状縫合部の閉鎖を示す。マウス胎児頭部において、Twistは細胞増殖が盛んな、発生中の骨ドメインの末端領域と縫合組織に発現する。このマウス胎児頭蓋冠を器官培養してTwistに対するモルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチド(MOT)を作用させてTwistタンパクの合成を抑制したところ、発生中の前頭骨と頭頂骨のドメインが癒合する傾向を示した。その際縫合部での細胞増殖が特異的に抑制された。これより、発生過程における縫合でのTwistの発現は構成する細胞の増殖に必須であり、骨芽細胞にコミットメントを受けた細胞で発現するTwistと同じ役割を果たしているわけではないことが示唆された。 胎児期の髄膜層を一層の膜として分離することは困難であった。髄膜層の頭蓋冠発生過程における役割に関しては、異なったアプローチが必要であり、次年度に向けて検討している。
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Research Products
(2 results)