2003 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面形態形成に関わるリン酸化シグナル伝達機構のプロテオーム解析
Project/Area Number |
15390559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 弘資 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (10313230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一條 秀憲 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00242206)
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Keywords | リン酸化 / シグナル伝達 / プロテオーム / 形態形成 |
Research Abstract |
本研究では、細胞内での情報伝達の手段として非常に重要と考えられているリン酸化というタンパク質の修飾に着目し、顎顔面領域の形態形成に深く関わる細胞内情報伝達経路を明らかにすることを目的としている。現在、顎顔面形態形成に関わるリン酸化タンパク質の網羅的な解析をめざしているが、技術的に難しい点が多々あり、さらなる条件検討を行っている。一方で、ある特定のリン酸化シグナル経路に注目し、その基質を同定する方法も試みている。JNKならびにp38 MAPキナーゼ経路はリン酸化反応を用いた細胞内情報伝達系であり、分化の制御や発生過程でのアポトーシスの制御に重要な役割を担っていることが明らかとなっている。われわれは、p38 MAPキナーゼを選択的かつ恒常的に活性化させることにより、PC12細胞を神経細胞様に分化させる系を確立した。さらに、分化させた細胞および未分化細胞における発現タンパク質を2次元電気泳動法にてプロファイリングした後、どちらか一方で発現が増強されているタンパク質をスポットとして同定した。得られた各スポットについて、質量分析計を用いたPeptide Mass Fingerprint法ならびにMS/MS法にて相当するタンパク質を同定した。得られたスポットのうち2つは、tubulinの重合、脱重合を制御するリン酸化タンパクであるstathmin-1 (oncoprotein-18)であることが判明した。stathmin1の発現量は分化・未分化にかかわらず一定であったことから、リン酸化による修飾を受けた分子が新たなスポットとして同定されたと考えられる。実際、in vitroにおいてリコンビナントstathmin-1がp38によってリン酸化されることが確認できたことから、p38経路のリン酸化標的分子としてstathmin-1が分化に関わる何らかの役割を担っていることが示唆される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Takeda, K.et al.: "Involvement of ASKI in Ca^<2+>-induced p38 MAP kinase activation."EMBO rep.. 5. 161-166 (2004)
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[Publications] Takeda, K.et al.: "Roles of MAPKKK ASK1 in Stress-Induced Cell Death."Cell Struct Funct.. 28. 23-29 (2003)
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[Publications] Yamaguchi, O.et al.: "Targeted deletion of apoptosis signal-regulating kinase 1 attenuates left ventricular remodeling."Proc Natl Acad Sci U S A. 100. 15883-15888 (2003)
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[Publications] Yamagishi, S.et al.: "Apotosis-Signal Regulating Kinase-1 Is Involved in Low Potassium-Induced Activation of p38 Mitogen-Activated Protein Kinase and c-Jun in Cultured Cerebellar Granule Neurons."J.Biochem.. 133. 719-724 (2003)
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[Publications] Song, S.et al.: "Essential role of E2-25K/Hip-2 in mediating amyloid-beta neurotoxicity."Mol.Cell. 12. 553-563 (2003)
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[Publications] Cho, S.-G.et al.: "Identification of a novel antiapoptotic protein that antagonizes ASK1 and CAD activities."J.Cell Biol.. 163. 71-81 (2003)
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[Publications] Matsuzawa, A.et al.: "Signal Transduction by Reactive Oxygen and Nitrogen Species : Pathways and Chemical Principles"Forman, H.J., Fukuto, J.and Torres, M.(Kluwer Academic Publishers). 411 (2003)