2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いた歯槽骨破壊機序の特殊性の解明に関する研究
Project/Area Number |
15390564
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
新木 敏正 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (90138420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20295132)
櫻田 誓 日本薬科大学, 薬学部, 助教授 (30279244)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
小林 誠 昭和大学, 歯学部, 講師 (80186767)
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
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Keywords | インターロイキン-1 / 歯槽骨 / 骨吸収 / トランスジェニック / サイトカイン / 歯周病 / 口腔内細菌 / ドライスカル |
Research Abstract |
近年、我が国でも"骨"および"カルシウム"代謝に対する社会の関心が急激に高まってきた。歯科領域においても、高齢者の増加は歯周病が原因で歯槽骨の吸収が亢進して歯の喪失が起こり、高齢者のQOLの低下の大きな原因の一つになっている。我々は、歯周病性歯槽骨の吸収の機序を明らかにする目的で研究を行っている。 歯槽骨の吸収は、歯周病原性最近(A.actinoumicetemicetemcomitanceなど)が産生するLPSが歯肉ならびに歯根膜細胞に作用してインターロイキン-1(IL-1)などのサイトカイン合成を促進し、これらのサイトカインが破骨細胞の形成を促進する結果として歯槽骨の吸収が起こると考えられている。そこで我々は、口腔内細菌が産生するLPSとLPSによって歯根膜ならびに歯肉の細胞が産生するIL-1の歯槽骨の吸収に対する研究を行った。その結果、炎症性骨吸収の過程で最も重要な役割を担っていると考えられているIL-1を強制発現するトランスジェニックマウスは、野生型の動物と比べ有意な変化を認めなかった。一方、カルシウムを低下させた飼料で飼育すると著しい、歯槽骨の石灰化の低下が認められた。さらに、長管骨の吸収に対するIL-1の作用を調べたところ、IL-1トランスジェニックマウスはリウマチ様の所見を呈していた。しかし、頭部をsoft X rayならびにドライスカル法によって調べた結果からは、野生型とIL-1トランスジェニックマウス間では変化が認められなかった。従って、顎骨は破骨細胞形成が他の骨組織と異なる機序で行われている可能性が示唆され。
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Research Products
(5 results)