2005 Fiscal Year Annual Research Report
In vivoにおける象牙質接着の劣化制御とその臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
15390573
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐野 英彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90205998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 哲 北海道大学, 病院・講師 (80184745)
田中 享 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90179771)
池田 考績 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90222885)
野田 守 北海道大学, 病院・講師 (10301889)
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Keywords | 歯質接着 / バイオデグラデーション / MMP |
Research Abstract |
樹脂含浸層の劣化機構をシュミレートするために、長期水中保存を行った試料を接着試験に供したところ、水分が到達し得る象牙質接着界面では樹脂含浸層からレジンの抽出がみられた。一方、水分の到達がない接着界面では樹脂含浸層の劣化が認められなかった。In vivoでの検討では、in vitroとは異なり、水分が十分に到達しない接着界面でも接着の劣化が観察された。 超微細構造的な検討では、含浸層内からのレジンの抽出およびコラーゲン線維の劣化が認められ、これには何らかの形でMMPが作用していたことが推測される。MMPの接着界面への作用機序としては、だ液由来、象牙細管由来あるいは歯の発生期に取り込まれたMMPがアクティベートされ、露出コラーゲンを消化していったものと考えられる。 象牙質の発生期に取り込まれたMMPの作用を検討した。健全象牙質粉末を作製し、これにコラーゲンやゼラチンを加え、24時間インキュベートするとこれらタンパクが消化されることが分かった。このことは象牙質粉末内にMMPがありコラーゲンやゼラチンをアタックできるポテンシャルがあることが示唆されている。 一方、生体内では、抜去歯でMMPを作用させた場合と似たような劣化像を示すことが分かった。そこで、唾液、MMP、その阻害剤であるクロルヘキシジン水溶液中に保存した試料の接着耐久性を検討したところ、一様な接着強さの劣化が見られた。MMP阻害剤であるクロルヘキシジンが接着の劣化に寄与できないことが分かった。今後は、更なるMMP障害剤を検討する必要がある。
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Research Products
(2 results)