2003 Fiscal Year Annual Research Report
流量と酸素飽和度の同時計測に基づく新しい歯髄血流測定器の開発
Project/Area Number |
15390574
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井川 資英 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (80176065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 全三 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (30157705)
飯山 正夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00193152)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Keywords | 歯髄 / 血流 / 測定 / 酸素飽和度 |
Research Abstract |
市販のレーザードップラー血流計を用いたヒト歯髄血流測定に関し、歯周組織血流由来のノイズの混入が問題となっている。そこで本年度の研究は、口腔内での測定に先立ち、まず、ヒト抜去歯と末梢血液および定量送液ポンプを用いたヒト歯髄血流モデルを作り、レーザードップラー血流計での測定範囲の解析を行った。その結果、市販のレーザードップラー血流計を用いたヒト歯髄血流測定では、上顎中切歯の場合、歯頚部から2-3mm程度根尖方向の部分の歯髄血流の測定が可能であること、それよりも根尖よりの部分の歯髄の血流測定は困難であることが明らかになった。更に規格化した根管模型であっても、血流量の指示値は抜去歯により変動することが示され、異なる個体間での絶対量の比較が困難であることも明らかになった。以上の成果は、これまで明らかにされたことがない研究成果であったので、学会発表を行うと共に、学術雑誌への論文投稿を準備中である。 さらに、本年度は市販の機器の光源に比し歯周組織へ散乱しにくいと考えられる緑力レーザー光を照射光源とした、歯髄専用の血流測定器の試作を開始した。これは通常の近赤外レーザー光を光源として併用し、緑力レーザー光を光源とした血流測定と同時に血液の酸素飽和度を測定するものである。緑色レーザーを用いた場合、エナメル質表面での散乱、特に後方散乱が赤外レーザー光に比較し非常に強いため、cpuでの演算処理を適正なものに改造する必要があり、現在ヒト上顎中切歯測定用に機器の改造を行っている。尚、指尖での血流測定および抜去歯を用いた歯髄血流モデルでの測定は達成した。
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