2003 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕象牙質の接着機構の解明と新しい脱灰象牙質再石灰化療法の確立
Project/Area Number |
15390576
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉山 昌宏 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10201071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高務 朋将 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20314700)
西谷 佳浩 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60325123)
鳥井 康弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10188831)
仲保 聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40335617)
清水 洋利 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70294709)
|
Keywords | う蝕象牙質 / 樹脂含浸層 / シールド・レストレーション / 脱灰象牙質 / 再石灰化 / 接着強さ |
Research Abstract |
う蝕象牙質の接着機構の解明とモディファイド・シールド・レストレーション(MSR法)の確立を目的として、in vitroでのう蝕象牙質へのレジン接着性を検討するとともに、石灰化促進溶液およびう蝕象牙質浸透プライマーのう蝕象牙質接着に及ぼす影響を追究し、以下のような研究成果が得られた。 1.走査型プローブ顕微鏡観察結果から、う蝕影響象牙質の37%リン酸処理時間が増加するとともに脱灰コラーゲン層の収縮量も増加することが示された。 2.ローダミンB添加プライマーおよび共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析した結果、50%HEMA含有1,2-propanediol溶液はう蝕影響および感染象牙質へのモノマー浸透性および微小引っ張り接着強さを有意に向上させることが明らかとなった。 3,SEMおよびTEMを用いてう蝕影響象牙質に形成された樹脂含浸層を観察した結果、オール・イン・ワン型の最新式の1ステップレジンでも2〜5μmの厚さの樹脂含浸層を形成するものの、その直下にモノマーの浸透性が低い移行層が生じることが示された。 4.フルオロアパタイト析出能を有する石灰化促進溶液(RE-02)を試作しう蝕象牙質接着に及ぼす影響を検討した結果、RE-02は接着強さを低下させることなく樹脂含浸層およびその直下の移行層の内部にフルオロアパタイトを形成できることが示された。 以上の結果から、石灰化促進溶液および、う蝕象牙質浸透プライマーの有用性が確かめられた。現在、平成16年度研究予定のin vivo動物実験の準備を進めている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] M.Yoshiyama et al.: "Resin adhesion to carious dentin"American Journal of Dentistry. 16. 47-52 (2003)
-
[Publications] T.Itota et al.: "Effect of fluoride-releasing adhesive system on decalcified dentin"Journal of Oral Rehabilitation. 30. 178-183 (2003)
-
[Publications] J.Doi et al.: "Bonding of root caries by a self-etching adhesive system containing MDPB"American Journal of Dentistry. In press. (2004)
-
[Publications] J.Doi et al.: "Effect of HEMA on microtensile bond test strength of resin composite to demineralized dentin"Journal of Oral Rehabilitation. In press. (2004)
-
[Publications] 西谷 佳浩 他: "試作再石灰化溶液の象牙質接着に及ぼす影響"日本歯科保存学雑誌. 印刷中. (2004)