2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高田 雄京 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10206766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
奥野 攻 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014080)
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Keywords | 白金鉄磁石 / 骨誘導 / Ca / P / 溶出試験 / チタン / 生体用ステンレス鋼 / ラット / 静磁場刺激 |
Research Abstract |
申請者らは、希土類金属磁石に匹敵する磁気特性と、白金に近い耐食性の両者を合わせ持った白金鉄磁石合金(Pt-59.75at%Fe-0.75at%Nb)に注目し、静磁場刺激による骨の成長誘導の可能性を調べることを目的とした。はじめに、擬似生体環境における耐食性を把握するため、生理食塩水および1%乳酸水溶液における溶出試験を行った。その結果、生理食塩水中では白金鉄磁石合金から溶出したイオンは、いずれも検出限界以下であった。1%乳酸水溶液においては、わずかにFeイオンの溶出が見られたが、同水溶液中におけるチタンの溶出イオン量の半分以下であり、これらの環境ではチタンに準じた耐食性を維持できることがわかった。また、アノード分極曲線の測定では、Pt含有量の多い合金であるにもかかわらず、不動態域が観察されたことから、チタンに類似した骨親和性を持つ可能性が示唆された。そこで、はじめに白金鉄磁石合金自体の骨親和性を評価するため、無着磁の白金鉄磁石合金とコントロールのCPチタンおよび生体用ステンレス鋼(SUS316L)をウィスターラットの両側頚骨にそれぞれ埋入し、1週、2週、4週、8週、12週ごとの組織切片を作製し、骨親和性を調べた。その結果、白金鉄磁石合金においても、チタンと同等の仮骨が観察され、生体用ステンレス鋼よりも有意に仮骨量が多いことがわかった。仮骨の成熟度を調べるため、X線分析顕微鏡で仮骨のCa/Pを分析した結果、皮質骨およびチタン表面に形成した仮骨との有意差は確認できなかった。白金鉄磁石合金を頚骨に埋入後、2週ほどで仮骨が部分的に成長し、4週で表面全域を覆うようになった。チタンにおいても同様の結果であり、仮骨の成長速度についても、チタンと同等であることが明らかになった。次年度は、無着磁および着磁白金鉄磁石合金を骨内に埋入し、静磁場刺激による骨の成長誘導を比較する予定である。
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