2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390584
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高田 雄京 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (10206766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 攻 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014080)
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
菊地 聖史 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50250791)
高橋 正敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50400255)
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Keywords | 白金鉄磁石 / 静磁場 / 骨再生 / 骨組織 / 動物実験 / Ca / P / 生体用ステンレス鋼 / チタン |
Research Abstract |
昨年度は、無着磁および着磁白金鉄磁石合金(Pt-59.75at%Fe-0.75at%Nb)、チタン、生体用ステンレス鋼(SUS316L)をウィスターラットの両側脛骨にそれぞれ埋入し、骨親和性と静磁場刺激による骨誘導を光学顕微鏡とX線分析顕微鏡を用いて評価した。静磁場の有無に関わらず白金鉄磁石合金表面に形成する仮骨のCa/Pは、チタンや生体用ステンレス鋼と同等であり、皮質骨との有意差はなかった。本年度は、EPMAを用いて仮骨の微細組織とCaおよびPの分布を分析した。白金鉄磁石合金に形成した4週以降の仮骨は、静磁場の有無に関わらず微細領域においても皮質骨と同等のCaとPの分布を示し、十分に成熟した骨であることが明らかとなった。現在までの結果によると、白金鉄磁石合金の仮骨の成熟度、仮骨の形成形態、形成量は静磁場の有無に依存せず、いずれもチタンに準じ、生体用ステンレス鋼よりも優れていた。しかし、白金鉄磁石合金の形状が小さく局所的で強力な静磁場が得にくいことや、ウィスターラットの骨代謝が速いことから静磁場による骨の成長速度の相違を明瞭に見出すことができなかった。そこで、最終年度ではあるが、ラットよりも骨代謝が遅い18週齢以上のウサギの脛骨に磁束密度の高い歯科用磁性アタッチメント磁石構造体を1〜12週間埋入し、静磁場の骨成長速度に及ぼす影響を調べる実験に着手した。磁石構造体のヨークを形成する極めて耐食性に優れたSUS447J1ステンレス鋼はチタンに準じた骨形成が可能である結果をウサギを用いた動物実験より得ており、磁石構造体を用いることで溶出イオンの影響を受けずに静磁場による骨誘導実験を行うことができることを見出している。現在のところ、静磁場の有無による骨組織の解析まで至っていないが、ウサギの骨代謝がウィスターラットよりも十分に遅く、骨の成長速度の相違を評価できる可能性を得ている。
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