歯科CAD/CAM用快削性チタン合金の開発

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15390585
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 奥野 攻 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014080)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 依田 正信 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70005073) ; 高田 雄京 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10206766) ; 木村 幸平 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40108551)
• Keywords: チタン合金 / 歯科用合金 / 快削チタン合金 / 切削性 / 研削性 / CAD / CAM / 歯科修復物 / 歯科補綴物

Research Abstract

チタン合金のα'、α"、ω相や、金属間化合物を少量、微細に分散させることで、実用十分な延性を保ち、一方で切削で生じた切り屑は排出されやすいよう、適度な脆性で細かく折れてくれるようなチタン合金の開発を試みることとした。このような可能性のあるチタンへの合金添加元素は平衡状態図でβ安定型となる元素であればすべて対象となりうる。しかし歯科用であることを考えれば安全性から、Hf、Zr、Nb、Ta、Moなど全率固溶する元素、あるいはMn、Co、Fe、Pd、Au、Ag、Cuなど金属間化合物とα相で共析を作る元素が候補になろう。このうち、本年度は以前の研究で高速切削での快削性が見出されたTi-Ag系合金、Ti-Cu系合金を比較対照にTi-Au系合金について機械的性質、耐食性および研削性から切削性を明らかにした。
Ti-Au合金の引張強さと耐力は20%Auまでは金の添加量が増えるに連れて大きくなり,チタンより有意に大きくなった.引張強さはTi-20%Au合金で550MPa,耐力は440MPaとチタンの1.6倍以上だった.Ti-40%Au合金は脆性破壊した。Ti-Au合金の伸びは5%Au以上でチタンと比べて有意に小さくなったが,5〜20%Auの伸びの間に有意差は無く,25%以上だった.Ti-Au合金の研削性はTi-5%Au合金では研削速度の増加に伴い研削量が増加する傾向にあったが,Ti-Au合金の研削量はいずれの組成おいても各速度でチタンとの有意差は認められなかった.0.9%NaCl水溶液、1%乳酸溶液中でのアノード分極曲線からTiへの金添加は20%を越えると耐食性がやや低下することが分かった。

Research Products

• [Publications] M.KIKUCHI, M.TAKAHASHI, T.OKABE, O.OKUNO: "Grindability of Dental Cast Ti-Ag and Ti-Cu Alloys"Dental Materials Journal. 22・2. 191-205 (2003)
• [Publications] M.KIKUCHI, M.TAKAHASHI, O.OKUNO: "Mechanical Properties and Grindability of Dental Cast Ti-Nb Alloys"Dental Materials Journal. 22・3. 328-342 (2003)