2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害および口腔腫瘍患者に対する画像口腔容積分析による発音補助床設計システム
Project/Area Number |
15390591
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
皆木 省吾 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80190693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 太郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80346452)
西川 悟郎 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00172635)
岡本 信 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00325094)
長谷川 浩一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50346459)
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Keywords | 発音補助床(PAP) / MRI / 定量的解析 / 運動障害性発音障害 / 器質性発音障害 / パラトグラム / 発語明瞭度試験 / GSR |
Research Abstract |
被験者は音声器官に異常がない者および脳血管障害によって運動障害性発音障害を有する患者を対象とした.被験音は歯頸音の[ta],[na],[ra]と軟口蓋音の[ka]の計4音とした.被験者に発音直前の舌の形態を維持させ撮影した.撮影前には十分な練習を行った.MRI画像から得られた舌と口蓋の接触パターンをパラトグラムとして抽出した.健常者においては[ta],[na],[ra]は正常パラトグラムパターンとよく一致していたが,[ka]は正常パターンとは異なる所見が得られた.[ta]と[na]はパラトグラムではほぼ同様のパターンを示すが,[na]は[ta]に比べて舌後方のスペースが少ない傾向があった.[ka]は各被験者間で舌の形態が様々で,パラトグラムにもばらつきがみられた.健常者から得られたこれらのデータを元に平均的口腔内容積を算出した.しかし運動障害を有する患者における撮影では,明瞭な像を得ることが困難であった.これには1発音の撮影時間3分と長く,舌に運動障害を有する患者には,この間舌形態を維持することが困難であったためと思われる,これに対して,撮影時間を短縮できるように撮像条件を変えて行ったが,解像度が低下し定量的な評価は困難となってしまった.以上のように,本研究においては発音時の舌形態を定量的に評価することが可能であった.特に口蓋と接していない部位の形態に関しては新しい知見を得ることができた.しかしながら,、運動障害を有する患者に対して行うには撮影方法が適しておらず,PAP設計に応用するには撮影条件をより短時間で高解像度の像が得られるようにさらに工夫する必要がある.
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