2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390596
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長岡 英一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00028812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌下 祐次 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90224641)
鎌田 ユミ子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70284891)
濱野 徹 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60172988)
西 恭宏 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10189251)
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Keywords | 顔貌 / 3次元計測 / 有床義歯 / 術後予測 / 無歯顎者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで我々が蓄積してきた義歯患者の顔貌画像分析システムをもとに,色情報を持つ3次元画像計測・解析装置を用いた顔貌画像解析システムを新たに構築し、これを用いて義歯患者の術後の顔貌を予測するシステムを開発することにある。まず平成15年度に、術後顔貌予測システムの計測部として顔貌画像分析に適した3次元形状計測装置を購入し、画像解析部として顔貌をワイヤーフレームモデルとして処理可能な画像処理ソフトウェアを組み込んだ。 平成16年度は、次の機能を有する顔貌予測が可能なソフトを開発した。(1)計測した3次元顔面形状データをもとに作成した複数のワイヤーフレームモデルから平均の3次元形状を作成する。(2)2つのワイヤーフレームモデル間の減算により3次元形状データの差(差分データ)を算出する。(3)差分データを別のワイヤーフレームモデルに加算することによって、顔面形状を変形させる。 すなわち、このソフトにより、新義歯製作予定の複数無歯顎患者の義歯撤去時と新義歯装着時の顔面形状から得た平均の差分データを、予測対象患者の義歯撤去時の3次元顔貌形状データに加えて、義歯撤去時の顔貌形状を変形させると、予測される新義歯装着時の3次元形状が得られる。 そこで。このシステムにより得た予測顔貌を実際の新義歯装着時の顔貌に重ね合わせて本システムの検討を行い、以下の結果と示唆を得た。 (1)通常の無歯顎患者においては、予測顔貌と実際の新義歯装着時の顔貌は外形がほぼ一致した。 (2)インプラント患者では、床の有無などの条件設定を検討する必要性が示唆された。 (3)顎補綴患者では、差分データに健側データを加味する必要性が示唆された。 以上、本研究により、術後の顔貌予測が可能な顔貌分析システムが構築でき、3次元形状の差分データの工夫により、インプラントや顎補綴の臨床でも対応できることが示された。 (777字)
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