2003 Fiscal Year Annual Research Report
ベクターを用いたヒト骨形成因子遺伝子導入による骨誘導
Project/Area Number |
15390612
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 助手 (90229138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 忠彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (80026921)
吉田 和也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263087)
|
Keywords | 骨形成因子 / サイトカイン / 遺伝子組換え / 大腸菌 / プラスミド / エレクトロポレーション / 骨誘導 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
BMP発現アデノウイルスベクターによるBMP遺伝子導入は、宿主自身の細胞にBMPを作らせるという、今までのBMP研究の発想を大きく転換した独創的なものである。ただし、免疫反応への対処という問題が残されている。この問題を解決すべく、免疫抑制剤の全身投与および局所投与、免疫系から保護する生体材料応用、免疫抑制作用を有する間葉系幹細胞の組織工学的利用などの検討を進めている。従来の研究成果から、免疫系が上記の方法で一時的に抑制出来れば、技術的にも費用的にも容易に臨床の場へ供給出来得ると考え、独自に作製したBMP発現アデノウイルスベクターによるBMP遺伝子導入に際する免疫抑制剤の全身投与および局所投与の検討を行い、有用な結果を得た。また、免疫系から保護する生体材料(コラーゲン)応用の検討を行っており、同様に局所的な免疫抑制作用が得られそうな目処が立っている。この研究成果から、免疫系がこれらの方法で一時的の抑制出来、BMPを現在一般的に行われている蛋白(サイトカイン)として直接使用するのではなく、アデノウイルスベクターを介して宿主(臨床においては患者)自身の細胞にBMPを作らせるという画期的な方法での骨誘導が可能であり、技術的にも費用的にも容易に臨床の場へ供給出来得ると考えられる。 さらに、最近注目を集めている生体為害作用のないプラスミドベクターにも着目し、BMP発現プラスミドベクターのエレクトロポレーション法での遺伝子導入法の検討も合わせて行った。本法は余分なベクターを使用しておらず、裸のプラスミドDNAの直接注入によるものであり、エレクトロポレーション法で宿主への遺伝子導入が有効に行え、理想的方法と考えられる。本法は近い将来臨床での骨組織再生において、非常に有用なものとなり、治療困難であった骨形成性疾患や骨再における新治療法の開発に寄与するものと思われる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Shinji Kaihara, Kazuhisa Bessho, et al.: "Over Expression of Bone Morphogenetic Protein-3b (BMP-3b) Using an Adenoviral Vector Promote the Osteoblastic Differentiation in C2C12 Cells and Augment the Bone Formation Induced by Bone Morphogenetic Protein-2 (BMP-2) in Rats"Life Science. 72. 1683-1693 (2003)
-
[Publications] Yasunori Okubo, Kazuhisa Bessho, et al.: "Preclinical Study of Recombinant Human Bone Morphogenetic Protein-2 : Application of Hyperbaric Oxygenation during Bone Formation under unfavourable condition"International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. 32. 313-317 (2003)
-
[Publications] Mariko Kawai, Kazuhisa Bessho, et al.: "Ectopic Bone Formation by Human Bone Morphogenetic Protein-2 Gene Transfer to Skeletal Muscle Using Transcutaneous Electroporation"Human Gene Therapy. 14. 1547-1556 (2003)
-
[Publications] Kazuhisa Bessho, Jun-ichiro Maeda, et al.: "In Vivo Study on the Effect of Nicotine on Bone Formation"Oral Oncology. 9. 258-261 (2003)
-
[Publications] Sinji Kaihara, Kazuhisa Bessho, et al.: "Simple and Effective Osteoinductive Gene Therapy by Local Injection of a Bone Morphogenetic Protein-2-expressing Recombinant Adenoviral Vector and FK506 Mixture in Rats"Gene Therapy. 11. 439-447 (2003)
-
[Publications] 海原真治, 別所和久 他: "アテロコラーゲンスポンジ(TERUPLUG)を担体とする遺伝子組み換えヒト骨形成因子の骨誘導に関する研究 -アテロペプチドコラーゲン(Cellmatrix LA)を担体とした場合との比較-"日本口腔外科学会雑誌. 49. 241-245 (2003)