2004 Fiscal Year Annual Research Report
ベクターを用いたヒト骨形成因子遺伝子導入による骨誘導
Project/Area Number |
15390612
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 助手 (90229138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 康則 京都大学, 医学研究科, 助手 (50378618)
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Keywords | 骨形成因子 / サイトカイン / 遺伝子組換え / 大腸菌 / プラスミド / エレクトロポレーション / 骨誘導 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
BMP発現ベクターによるBMP遺伝子導入は、宿主自身の細胞にBMPを作らせるという、今までのBMP研究の発想を大きく転換した独創的なものである。中でもアデノウイルスベクターを利用した方法は遺伝子導入効率が良く、有効な手法である。しかし、アデノウイルスベクターには免疫反応への対処という問題が残されている。この間題を解決すべく、免疫抑制剤の全身投与および局所投与、免疫系から保護する生体材料応用、免疫抑制作用を有する間葉系幹細胞の組織工学的利用などの検討を進めている。従来の研究成果から、免疫系が上記の方法等で一時的に抑制出来れば、技術的にも費用的にも容易に臨床の場へ供給出来得ると考え、独自に作製したBMP発現アデノウイルスベクターによるBMP遺伝子導入に際する免疫抑制剤の全身投与および局所投与の検討を行い、有用な結果を得た。また、免疫系から保護する生体材料(コラーゲン)応用の検討を行い、同様に局所的な免疫抑制作用を得ることに成功した。これらの研究成果から、免疫系の一時的な抑制力が可能であり、BMPを現在一般的に行われている蛋白として直接使用するのではなく、アデノウイルスベクターを介して宿主(臨床においては患者)自身の細胞にBMPを作らせるという画期的な方法での骨誘導が可能となった。 また、生体為害作用のないプラスミドベクターにも着目し、BMP発現プラスミドベクターのエレクトロポレーション法での遺伝子導入法の検討も合わせて行った。本法は余分なベククーを使用しておらず、裸のプラスミドDNAの直接注入によるものであり、エレクトロポレーション法で宿主への遺伝子導入が有効に行え、理想的方法と考えられる。本法は近い将来臨床での骨組織再生において、非常に有用なものとなり、治療困難であった骨形成性疾患や骨再建における新治療法の開発に寄与するものと思われる。
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Research Products
(7 results)