2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生医療における骨吸収の分子遺伝子的解析と骨吸収抑制薬の開発
Project/Area Number |
15390614
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
菅原 利夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10116048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植野 高章 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60252996)
水川 展吉 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00263608)
三島 克章 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60304317)
池上 秀二 明治乳業株式会社, 機能評価研究部, 課長(研究職)
福永 城司 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10284069)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 免疫抑制剤 / T細胞 / RANKL / OPG / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
平成15年度はT細胞と免疫抑制剤による骨粗鬆症の発症との関連性を検索するために、T細胞が欠損しているヌードマウスとワイルドタイプのマウスに免疫抑制剤FK506を連日28日筋肉注射(1mg/kg)し骨粗鬆症モデルマウスを作製した。まずFK506投与骨マウスを組織学的に観察した。その結果ワイルドタイプではFK506による実験群の骨吸収は、enchondral ossificationより下方でtrabecula boneの減少が認められ、またTRAP染色に陽性な破骨細胞はenchondral ossificationでコントロール群より明らかに数が増加していた。しかし、ヌードマウスではenchondral ossificationより下方での骨吸収はほとんどなく、コントロールと変化がないことから、免疫抑制剤による骨粗鬆症は、T細胞が関係していることが示唆された。 次に免疫抑制剤による骨粗鬆症の原因の検索のために、RANKLとOPG遺伝子の発現をみた。脛骨を摘出しホモジナイズした後、抽出したmRNAをcDNAに転写しリアルタイムPCRを行った。さらに雪印乳業から提供されたRANKL、OPG遺伝子をクローニングし、RANKLとOPGのRNAプローブを作製し、In situ hyburidydation(ISH)で観察をした。OPGはリアルタイムPCR、ISHの両方ともにコントロール群と実験群ではほとんど差は認められなかった。しかし、RANKLはリアルタイムPCRでは明らかに実験群にてmRNAの発現が増加しており、また組織学的に破骨細胞の増加するenchondral ossificationから下方部に一致してISHでもRANKLの発現が実験群で強くなっていた。このことからFK506は骨芽細胞に作用して、ODFmRNAの発現を増加させ破骨細胞の分化・成熟を促し、増加が起こったことにより骨粗鬆症が発症したことが今回の実験によって証明できた.さらに免疫抑制剤の全身的な影響を見るために、コントロール群、実験群の血清を採取し破骨細胞の分化に影響を及ぼすサイトカインをELISA法にて検討した。その結果、IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-17を測定したがすべてのサイトカインにおいてコントロールと有意差は認めなかった。次に局所的な影響を察するためにコントロール群、実験群の脛骨を摘出し、ホモジナイズした後タンパク質を抽出しWestern blot法を行った。検討したサイトカインは、破骨細胞の形成を促進するIL-1α,βやIL-6で、その結果は変化がなかった。以上のことから破骨細胞の分化に関与していると言われているサイトカインと免疫抑制剤による骨吸収とは関係ない可能性が出てきた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Toshio Sugahara, Jyoji Fukunaga et al.: "Expression of Osteoclast Differentiation Factor and Osteoclastogenesis Inhibitory Factor in Rat Osteoporosis Induced by Immunosuppressant FK506"Bone. 34(3). 425-431 (2004)
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[Publications] Toshio Sugahara, Takaaki Ueno et al.: "Pathological change of articular cartilage in the mandibular head treated with immunosuppressant FK506"Histology and Histopathology. 19. 15-21 (2004)
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[Publications] Toshio Sugahara, Makoto Nakano et al.: "Expression Pattern of Cisplatin-Induced Metallothionein Isoforms in Squamous Cell Carcinoma"Anticancer Research. 23. 299-304 (2003)
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[Publications] Toshio Sugahara, Takaaki Ueno et al.: "Immunohistochemical observations of cellular differentiation and proliferation in endochondral bone formation from grafted periosteum"Journal of Cranio-Maxillofacial Surgery. 31. 356-361 (2003)
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[Publications] Toshio Sugahara, Takaaki Ueno et al.: "Vascular Endothelial Growth Factor(VEGF)and Bone Morphogenetic Protein-4(BMP-4) in Endochondra Ossification from Grafted Periosteum"Acta Histochemistry Cytochemistry. 36(1). 61-66 (2003)
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[Publications] Toshio Sugahara, Takaaki Ueno et al.: "Regeneartion of Mandibular Head from Grafted periosteum"Annals Plastic Surgery. 51(1). 77-83 (2003)
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[Publications] 菅原利夫, 福永城司: "骨粗鬆症学-基礎・臨床研究の新しいパラダイム 免疫抑制剤が引き起こす骨粗鬆症"日本臨床社62巻増刊号2. 3 (2004)