2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における放射線・化学・温熱療法施行後のアポトーシス関連遺伝子発現応答
Project/Area Number |
15390620
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 武雄 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60094554)
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Keywords | p53 / アポトーシス / X線 / 温熱 / プロティンチップ / グリセロール / 分子シャペロン / クラスター解析 |
Research Abstract |
我々はこれまでX線および温熱単独処理において変異型p53細胞はアポトーシス誘導が見られず正常型p53細胞と比べて抵抗性であることを確認した。本年度は、実際のタンパク質発現を調べるためにプロテインチップを用いてアポトーシス関連タンパク質を調べ、クラスター解析を行いそれぞれのタンパク質についての検討を行った。さらに、変異型p53タンパク質を正常型p53タンパク質の機能に回復することが明らかにされているグリセロールの化学シャペロン効果を確認した。 方法は、アポトーシス関連タンパク質の確認においてはSAS/neo細胞(正常型p53表現型)とSAS/mp53細胞(変異型p53表現型)を使用し、X線照射(6Gy)、温熱処理(44℃、40分)を行い、12時間後にタンパク質を抽出した。タンパク質をcye3とcye5で標識し、microarrayとincubateし、ハイブリダイゼーションした。ScanningはScan Array Expressで行い、解析にはDNASISstatとexcelを用いた。非処理の細胞からのタンパク質をコントロールとした。化学シャペロン効果の確認には、Ca9-22(変異型p53表現型)を用い、グリセロール処理した細胞と未処理の細胞に放射線を照射し、生存率をコロニー形成法で確認し、アポトーシスの誘導をヘキスト染色方、DNAラダー検出法にて確認した。 結果は、アポトーシス関連タンパク質の確認においては、NF-kB、Bcl-2、Bcl-xL、COX2、Stat3、IL-6、IKKα/1、など多くのアポトーシス抑制タンパクの発現を認めそれぞれがどのような働きをしているかを検討した。化学シャペロン効果の確認においては、グリセロール処理によりX線感受性が増感した。 以上の結果より、癌治療においてp53遺伝子型を検索することが先行指標として有用であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)