2004 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経系と顎口腔機能との相互作用に及ぼす侵害受容刺激の影響
Project/Area Number |
15390632
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日高 修 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30252696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 健治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50127247)
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Keywords | 咀嚼筋筋電図 / 咬筋血液動態 / 心拍ゆらぎ / 血圧変動 / ガム咀嚼 |
Research Abstract |
顎口腔系における痛みの生理メカニズムを理解するには、交感神経-体性神経の関連性を考慮に入れた検討が必要である。本研究では、顎口腔系への侵害受容刺激が自律神経系に及ぼす影響、およびその自律神経系が逆に顎口腔機能系に及ぼす影響について、生理学的に検討することを目的とした。持続的なガム咀嚼により強い負荷が加わると、特に女性において、咀嚼筋に痛覚が生じることが報告されている(JDR)ことから、本年度は被検者を女性とし、ガムを持続的に咀嚼させ(対照として、負荷の小さな空咀嚼を行わせ)、咬筋の筋電図ならびに血液動態、心拍ゆらぎ、心拍数、血圧について測定、解析を行った。 筋活動については左右の咬筋浅部に相当する皮膚表面上に,電極間距離を10mmに固定した小型生体用表面電極を筋の走行に平行に貼付し,双極誘導にて筋電図(electromyogram : EMG)を記録した.咬筋の血液動態については,レーザー組織血液酸素モニターを用い,酸化ヘモグロビン濃度(OxyHb),還元ヘモグロビン濃度(DeoxyHb),総ヘモグロビン濃度(TotalHb),組織血液酸素飽和度(StO2: 0xyHb/TotalHbラ100)を測定した. 血圧変動については,トノメトリ法により非観血的に1拍毎の血圧を測定した,心拍変動については,パワースペクトル解析を行い,低周波数帯(0.04-0.15Hz)から低周波成分のパワー積分値(Lo),高周波数帯(0.15-0.5Hz)から高周波成分のパワー積分値(Hi),0-0.5Hzから総パワー積分値(TPW)を算出した.交感神経活動の指標としてLo/Hi,副交感神経活動の指標としてHi/TPWを用いた. その結果、咀嚼運動に伴う咬筋血液動態の変化は運動強度により異なり,その相異は運動開始直後と運動終了後に顕著となること,咀嚼運動中は運動負荷の強さに応じて交感神経活動が上昇することが示された.
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Research Products
(2 results)