2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯に特異的な遺伝子と常染色体性エナメル質形成不全症の関わりと遺伝子診断
Project/Area Number |
15390633
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新谷 誠康 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90273698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊澤 悟 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30243249)
大嶋 隆 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80116003)
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Keywords | エナメル質形成不全症 / アメロブラスチン / エナメリン / エナメリシン / 遺伝子診断 / ポリモルフィズム |
Research Abstract |
平成15年度には歯の健康な日本人50人(男性)の静脈血を,すでに承認を受けた大阪大学歯学部倫理委員会の規定に基づき採取し,ゲノムDNAの抽出を行った。アメロブラスチン,エナメリン,エナメリシンのうちアメロブラステンに関しては50人分全てのゲノムDNAに関してダイレクトシークエンスとPCR-SSCP(single-strand conformation polymorphism)法によってポリモルフィズムに関するデータの採取を完了し,解析を行った。その結果,日本人のアメロブラスチン遺伝子には現在までにデータが公開されているスウェーデン人には認められない新しいポリモルフィズムが存在することが明らかになった。これによって,日本人を中心としたアジア人におけるポリモルフィズムの検討は,アメロブラスチンに関してはほぼ達成されたもの思われる。また,本年度中に3人のエナメル形成不全症患者から静脈血の採取あるいは口腔粘膜のスワブを行い,ゲノムDNAの抽出後,現在,アメロブラスチン,エナメリン,エナメリシンに関してダイレクトシークエンスを行い,解析中である。このうちの2人に関してはアメロブラスチン,エナメリンが1人に関してはアメロブラスチンのコード領域の解析が終了したが,エナメル形成不全症の原因と推測できるような変異は確認されていない。今後,残っている遺伝子のコード領域を解析し,変異が見つけられない場合には,コード領域以外のプロモーターや非翻訳領域の解析を行う必要があるものと考える。
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