2005 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症における下顎頭軟骨吸収の抑制をめざした治療体系の確立
Project/Area Number |
15390636
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 幸太郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20322240)
大野 茂 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30304447)
本田 康文 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00335663)
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Keywords | 変形性顎関節症 / 低分子ヒアルロン酸 / 滑膜細胞 / 機械的伸張力 / ヒアルロニダーゼ / 軟骨細胞 / HAoligo / siRNA |
Research Abstract |
近年、変形性関節症(osteoarthiritis ; OA)患者の滑液中においてヒアルロン酸の低分子化が生じると同時にOA患者の滑膜においてヒアルロニダーゼ遺伝子の中でもとくにHYAL2発現は健常者に比較して有意に増加(4倍以上)していることが明らかになってきた(Yoshida M et al.Arthritis Res Ther,6(6), R514-520, 2004.)。 そこで我々は滑膜や軟骨などの関節組織への過剰な機械的負荷が滑液中のヒアルロン酸代謝に及ぼす影響について検討を行った。 前年度の研究では、過剰な機械的負荷がHYAL2発現およびヒアルロニダーゼ活性を増強することを明らかにした。 本年度は、HYAL2遺伝子を特異的に抑制するsiRNAを作製し、実験系において添加したところ、siRNAを添加していないコントロールでは機械的負荷によりヒアルロニダーゼ活性が増強したのに対し、HYAL2 siRNA添加群ではピアルロニダーゼ活性がほとんど認められないことが明らかになった。 また、培養上清中における低分子量ビアルロン酸の存在を明らかにするために、FACEを行ったが、培養上清中には低分子量のヒアルロン酸は認められなかった。このことは、ヒアルロニダーゼが酸性条件下で活性を有することから、培養下での中性条件ではヒアルロン酸の分解が生じにくい可能性が示唆された。生体における炎症部位でのpHも低いことより、今後、培養上清を酸処理した場合に培養上清中のヒアルロン酸の低分子化が生じるかを検討する必要がある。 本研究により、関節組織への過度な機械的負荷により発現が増強したHYAL2がヒアルロニダーゼを合成し、炎症部位における酸性条件によりヒアルロニダーゼの活性化が生じ、結果として滑液中のヒアルロン酸を分解するいうヒアルロン酸の低分子化のメカニズムの1つを解明することができた。今後も引き続き下顎頭軟骨吸収の抑制のための治療体系の確立をめざす。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The metabolism of hyaluronan in cultured rabbit growth plate chondrocytes during differentiation.2005
Author(s)
Suzuki A, Tanimoto K, Ohno S, Nakatani Y, Honda K, Tanaka N, Doi T, Ohno-Nakahara M, Yoneno K, Ueki M, Tanne K.
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Journal Title
Biochim Biophys Acta 1743・(1-2)
Pages: 57-63
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