2004 Fiscal Year Annual Research Report
オステオ・イムノロジーを基盤にした骨関節破壊の分子機構とその制御
Project/Area Number |
15390637
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森山 啓司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20262206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 良夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00127854)
大庭 康雄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40294706)
堀内 信也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70263861)
北瀬 由紀子 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70363166)
高橋 巧 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (30363154)
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Keywords | 関節リウマチ / エストロジェン / RANKL / 骨破壊 / MRI / lprマウス / 樹状細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
関節リウマチ(Rheumatoid arthritis : RA)の骨・軟骨破壊機構について、いまだ不明な点が多い。今回、骨・軟骨破壊機構とエストロジェンとの関連性を明らかにする目的で、関節リウマチの自然発症モデルMRL/lprマウスに卵巣摘出(Ovx)を施し、エストロジェン欠乏の顎関節骨・軟骨破壊への影響について検討した。またRAの病態における自己抗原の樹状細胞(Dendritic cell : DC)による抗原提示機構を解析する目的でRANKLシグナルにより活性化したDC移入による関節病変への影響について解析を行った。その結果以下のことが明らかになった。 1)Ovxマウスを各週齢で比較し病理組織学的に観察した結果、Ovxマウスでは膝関節および顎関節においても滑膜増殖やパンヌスの形成、また骨・軟骨破壊を伴うなど関節病変の増齢的な悪化傾向がみられた。8週齢のOvxマウス脾細胞のFACS解析にて、対照群と比較しT細胞の活性化マーカーおよびRANKLの発現、MHCクラスII陽性細胞の発現増強が認められた。 2)活性化DC移入群では膝関節における骨破壊を伴う自己免疫性関節病変の増悪が観察され、脾細胞の自己抗原II型コラーゲンに対する反応性の上昇、MHCクラスII分子の発現増強および破骨細胞の活性化能の上昇が観察された。 自己免疫性関節炎の病態形成においてエストロジェンは生体内で骨・軟骨破壊機構に対し防御的役割を果たしている可能性が示され、またDCによる自己抗原(CII)の抗原提示機構がRA発症に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)