2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラット臼歯モデルでの抜歯窩への後方臼歯の矯正移動と歯根吸収の制御
Project/Area Number |
15390640
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
柳下 寿郎 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50256989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 文人 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (90318543)
島津 徳人 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (10297947)
添野 雄一 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350139)
中原 リザ子 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (90155804)
青葉 孝昭 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (30028807)
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Keywords | 歯の矯正移動 / ラット / 臼歯 / μCT / 歯槽骨改造 / 抜歯窩 / 浸透圧ポンプ / 骨形態計測 |
Research Abstract |
本年度では、矯正力の大きさと持続的な負荷を実現するために、形状記憶能をもつNiTiのコイルスプリングを用いた矯正装置の開発を行った。従来のステンレス製のコイルスプリングでは初期荷重は規定できるが、歯の移動にともない矯正力が減衰する制約を伴っていた。実験には40g、25g、15gを負荷するNiTiスプリングを使用し、負荷期間を任意に設定できるようにラット口腔内で着脱可能な装置を考案した。実験モデルは当初の計画に沿ってラット上顎臼歯を対象として、第1臼歯を抜歯後に第2臼歯を抜歯窩へ近心移動させた。今回の着脱可能な矯正装置を装着した実験動物30匹において、最長14日間の実験期間においてNiTiスプリングが破損あるいは自然脱落をきたしたのは1例にとどまり、他の実験例では実験終了時にも設定荷重が持続的に負荷されていることが確かめられた。臼歯の近心移動距離に関しても、従来の矯正力減衰をともなう装置を使用した場合(7-14日間40g荷重で平均0.3mmの移動)に比べて、25gあるいは15gの低荷重群でも1mmを越える大きな値が得られていた。この矯正装置の改良とともに、歯の移動にともなう歯槽骨改造を3次元的に解析する方法として、μCT撮影とその後の脱灰組織切片からの立体構築法について確立した。特に、脱灰薄切標本については破骨細胞を染めるTRAP酵素組織化学(破骨細胞系譜は赤色で識別できる)と骨基質を青紫で染めるアザン染色の二重染色法を開発した。使用している画像解析システムでは、これらのRGB色調に基づく組織要素の分離抽出が可能であり、単核・多核のTRAP陽性細胞と骨表面との空間配置を動画観察し、細胞分布について形態計測することができる。以上の実験系ならびに観察手法の改良を踏まえて、次年度では体内埋入型浸透圧ポンプにより持続的に生理活性因子を供給した条件下での歯の矯正移動実験を開始する。
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Research Products
(6 results)