2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔ケアが介護家族のQOLに及ぼす効果に関する総合的研究
Project/Area Number |
15390656
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
米満 正美 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (80092451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 光男 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (60295988)
相澤 文恵 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80216754)
阿部 晶子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90185992)
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (10164667)
南 健太郎 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10364374)
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Keywords | 口腔ケア / 口臭 / 舌苔 / QOL / 主たる介護者 / 介護負担感 / SF-36 / 定量的PCR |
Research Abstract |
1.口腔ケアの効果を表す客観的指標の検討. 方法:岩手県内の体系的口腔ケアを実施しているリハビリテーション病院において,平成14年8月に急性期医療を終えて転院してきた者27名を対象とした.入院当日に,ポータブルガスクロマトグラフィによる口腔内気体中硫化水素およびメチルメルカプタン濃度を測定した.また,齲歯,CPIによる歯周組織検査を行い,その後舌苔試料を採取した.採取した舌苔試料からゲノムDNAを抽出し,16SrRNAをもとにした定量的PCR法により,舌苔に含まれる細菌数を定量した.さらに主たる介護者に対してはSF-36を用いたQOL測定を行った.入院2か月後に同様の調査を行い,入院直後と比較した. 結果:入院2か月後では,入院直後に比べて,歯周組織の状態と口臭強度が有意に改善された.舌苔中細菌数,舌苔付着量は減少傾向を示したが有意差は認めなかった.また,QOLは入院直後に比べて社会機能で有意に高い数値を呈した.これらのことから,体系的口腔ケアの評価項目として臨床評価に加えて口臭測定や細菌学的評価を行うことの有用性が示唆された. 2.在宅要介護高齢者の主たる介護者の主観的健康感調査. 方法:岩手県某町村に在住する要介護認定者の主たる介護者113名を対象とした.調査項目は要介護度,介護状況,SF-36による主観的健康感,主観的介護負担感である.アンケートの配布,回収は町村に委託した. 結果:主たる介護者のQOLは同年代の人々に比べてすべての項目で有意に低かった.配偶者・実の親を介護している者は義理の親・兄弟を介護している者より有意に低かった.また,介護期間が長くなるにつれて日常役割機能が身体的にも精神的にも高くなることが示された.さらに社会生活機能が良好なヒトほど公的介護サービスの有用性に影響を及ぼすことなどが示唆され,要介護者に対するケアを考慮するうえで有用な知見であると考えられた.
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