2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔ケアが介護家族のQOLに及ぼす効果に関する総合的研究
Project/Area Number |
15390656
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
米満 正美 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (80092451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 光男 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (60295988)
相澤 文恵 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80216754)
阿部 晶子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90185992)
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (10164667)
杉浦 剛 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (50382627)
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Keywords | 口腔ケア / 訪問口腔ケア / 介護家族 / 要介護高齢者 / QOL / 定量的PCR / 歯科衛生士 / セルフエスティーム |
Research Abstract |
昨年度までの予備的研究を踏まえ,在宅要介護高齢者に対する口腔ケアの介入研究を行った.訪問口腔ケア事業への参加が歯科衛生士の職業的セルフエスティーム(SE)を高める可能性の検討を行った. 1.在宅要介護高齢者に対する訪問口腔ケアが口腔内状況ならびに介護家族のQOLに及ぼす影響 方法:前年度に予備調査を行った対象者133名全員に訪問口腔ケアについての説明書を配付し,研究参加に同意した要介護高齢者及びその介護家族20組(要介護高齢者20名,介護家族22名)を対象とした.訪問口腔ケアは岩手県歯科衛生士会に委託して衛生士会内部の標準的方法で3か月間に10回行った.口腔ケア前後で要介護高齢者の口腔内状況と舌苔試料の採取を行い,舌苔試料は重量測定後,定量的PCRに供して細菌数の変動を観察した. 結果:口腔内状況ではCPI,口中気体の硫化水素濃度が減少傾向を呈し.舌苔付着量および細菌数は増加傾向を呈したが,総細菌数に占める歯周病原性細菌の割合は減少傾向にあった.介護家族のQOL調査では,訪問口腔ケア期間後にRole-Emotionのスコアが有意に高く,Physical Functioningについては低下傾向にあり,他の尺度および介護負担感尺度については訪問口腔ケア前後でほぼ同等であった. 2.歯科衛生士のSEに関する検討 方法:訪問口腔ケアに参加した歯科衛生士9名の報告書をテキスト分析した.また,岩手県歯科衛生士会にSEに関するアンケートを配付してスコアを検討した。 結果:報告書に出現する単語の組合せ頻度の分析では,「必要」,「食事」,「要介護」,「歯科衛生士」からなる語群が抽出され,参加歯科衛生士が訪問口腔ケアに意義を見いだしていることが示唆された.アンケート分析から,歯科衛生士のセルフエスティーム(SE)は職場環境によって異なることが示された。SEが最も低かったのは歯科診療所であり、過去1年間における研修会・学会への参加者数は、参加意欲が他の職場間と有意な差が認められなかったにもかわらず少なかった。これらのことから、歯科衛生士のSEを高めるためには、研修会・学会へ参加することに負担を感じないような職場環境が必要であることが示唆された。
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