Research Abstract |
看護研究を行うためのEBNパッケージとして,データ解析支援システムに要求される事項は何かを把握するために,これまでに実施したEBN全国調査データの詳細な解析を行い,国内外の学会で発表した。重要な結果として,(1)EBNは看護研究に必要は81.7%,(2)EBNに基づいた方法を,もっと積極的に取り入れるべきであるに賛成76.7%,(3)看護研究では量的研究を,もっと積極的に取り入れるべきであるに賛成38.6%,反対4.6%,(4)看護研究では質的研究を,もっと積極的に取り入れるべきであるに賛成52.7%,反対1.3%,(5)質的研究は看護研究に向いていると思うに66.6%(女性看護系教員では72%)が「はい」と回答した。この結果は,EBNは看護研究に必要だが,質的研究の方が看護研究に適していると考えている教員が多いことを示している。しかし,EBNは量的研究の枠組みで発展してきたため,質的研究は考慮されていない。 質的研究の科学性に関して検討するために,平成15年12月8日〜20日に,全国の看護系大学教員3,745名を対象に質問紙による郵送調査を実施し,さらに平成16年1月8目〜23目には礼状兼催促状を発送し,回収率の向上をはかった。平成16年2月末日までの回収数は,1,116例であり,回収率は29.8%であった。なお,所属機関からの通知などにより退職や死亡が判明した対象不適格例が12例あり,有効回答率は29.9%となった。現在,データをコンピュータ入力中であり,今後,詳細な解析を通じて,質的研究とEBNの関係を考察していく予定である。 なお,ホームページ(http://www-clg.niigata-u.ac.jp/~takagi/kaken-h14/kakenmenu.html)に研究結果の一部を公表している。
|