2004 Fiscal Year Annual Research Report
看護技術提供時の動作分析による作業効率性の評価と看護経済性の指標の開発
Project/Area Number |
15390661
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿曽 洋子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80127175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 知枝 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90152363)
三上 洋 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80173996)
久米 弥寿子 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30273634)
矢野 祐美子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80335398)
細見 明代 神戸市看護大学, 短期大学部, 助教授 (70190212)
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Keywords | 全身清拭 / 作業効率性 / 動作分析 / 循環動態 / 自立神経活動 / 腰部負担 / 揺れ / 筋電図 |
Research Abstract |
1.全身清拭に対する看護技術の基準値の構築 1)対象:看護者役は学生に基礎看護技術を教授している教官1名(以下、看護者)及び患者役としてシルバーセンターに登録している前期高齢者12名(以下、高齢者)で、研究目的や方法を記載した募集要領により応募した人である。2)方法:(1)12名の高齢者に2種類の全身清拭方法(温湯清拭、洗浄液含有温湯清拭)を行い、看護者の動作、筋電位および看護者と高齢者の心電図を経時的に計測し、動作分析、循環動態、自立神経活動、筋電図を分析した。3)結果:清拭中の作業姿勢では、2種類の清拭方法とも看護者の脊柱の傾斜角度が30°以上になると腰部負担が起こり、負担の総時間は腹部清拭時が他の部位より有意に短いことが明らかになった。また、作業域と筋負荷との関係では高齢者のBMIが大きいほど、上下肢、背部清拭時に看護者の負担が有意に大きくなることがわかった。高齢者では、緊張感や羞恥心のある人はない人に比べて、血圧や脈拍に有意差を認めたことから、ケア中の声かけの必要性が示唆された。また、ケア中の高齢者の身体の揺れは腹部清拭時が他の部位に比べて有意に少なかった。自律神経活動では緊張感や羞恥心が大きくない場合には、交感神経活動を抑制しうるケアであることが示唆された。以上の結果に基づいて、動作の変化および経過時間の基準値の作成を行っている。 2.作業効率性の評価指標の作成及び評価指標の妥当性と信頼性の検証 前述の基準値に基づいて、作業効率性にかかわる評価項目・内容を抽出するために、文献を収集しているところである。来年度、作成した評価指標の妥当性と信頼性の検証を行う予定である。 3.看護ケアにおける全身清拭の価値付け 今年度には計画していなかったが、看護ケアにおける看護職の全身清拭への価値付けを調査した。その結果、看護職の職場選択の際して、第一義的選択になっていることが明らかになった。
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