Research Abstract |
新しく作成した家族機能尺度「エコロジカル家族機能調査(The Survey of Ecological Family Functioning ; SEFF)1.0J」について,養育期家族に対する調査により,信頼性および妥当性,家族機能不全のカットオフポイントを検討した. 大阪府と長崎県にある保育所・幼稚園に子どもを通わせている家族2,010家族(父親1,912名,母親1,996名)を対象として質問紙調査を実施し,1,996名(父親887名,母親1,109名,1,160家族)からの有効回答を分析した.クロンバックのα係数は0.90(父親;0.90.母親:0.91)であり,内的整合性が確認された.2週間の期間をおき行った再テスト法においては,Spearmanの相関係数が0.80(父親:0.83,母親;0.76)と有意な相関が認められ,反復信頼性が確認された,また,FFFS(Feetham家族機能調査)日本語版Iとの併存妥当性は,Spearmanの相関係数が-0.43(父親:-0.45,母親:-0.40)と有意な相関が認められ,併存妥当性が確認された.さらに,構成概念妥当性の検討では,因子分析により6因子が抽出され,概念枠組みによって想定した概念にそった内容となっており,構成概念妥当性が確認された. また,家族機能不全を示す満足度得点(SS)項目平均値について,パーセンタイルを用いてカットオフポイントを設定し,家族機能度を外的基準として感度・特異度を用いて,カットオフポイントの妥当性を検討した.その結果,SS項目平均値でみた13パーセンタイル値である3.276が妥当であると判断した.
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