2003 Fiscal Year Annual Research Report
癌治験の被験者への自己擁護技能教育による危険予測と回避を促すアクションリサーチ
Project/Area Number |
15390676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
稲吉 光子 北里大学, 看護学部, 教授 (60203212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 五月 北里大学, 看護学部, 講師 (60348597)
諸田 直美 北里大学, 看護学部, 講師 (20210205)
嶺岸 秀子 北里大学, 看護学部, 助教授 (20258883)
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Keywords | 癌臨床試験 / 危険性-有益性分析 / 人権擁護 / リスク情報 / 新聞報道 / 不安 / 希望 / 癌治験 |
Research Abstract |
1.アメリカでの資料収集や新聞データベースからの質的帰納的分析により、がん治験での危険性と有益性(risk-benefit)の概念とマスコミュニケーションでのリスク情報の傾向を明確にした。 1)がん治験での危険性と有益性(risk-benefit)の概念 現在、治験での危険性と有益性(risk-benefit)はThe Belmont Report (1978)の倫理的指針から定義されている。危険性とは損害が生じるかもしれない予測である一方、有益性とは健康や幸福(welfare)への肯定的価値である。危険性を予測し、回避するために、危険性-有益性分析(risk-benefit analysis)が使われている。危険性は法律上、医療上、そして治験上の3つの側面に分類される。その3つが重なる中核は人権であり、人権擁護が危険性-有益性分析の中心概念を形成している。 2)新聞にみるがん治験に関するリスク情報の傾向 リスク情報とはリスク事象についての主観的評価であるリスク認識に影響する報道とする。新聞にみるがん治験に関するリスク情報の調査対象は、購読率の高い全国紙で、データベース検索できる朝日新聞と読売新聞とした。データベース検索で、{がんand(治験or臨床試験)}を検索した。期間は、2000年1月から2003年6月までとした。リスク情報に関する語句をキーワーズとして選び、その頻度から分析した。結果として、コンピュータ検索で得た総記事数は401件であった。現在、キーワーズを(1)危険度(危険性-安全性)と心理的影響(不安・恐怖-希望)の2つの軸から分析すること、(2)同一記事の報道期間を分析する方向づけができたところである。 2.研究ネットワークの基盤づくりとして、「臨床試験とがん看護を考える研究会」を発足させ、Manual for Clinical Trials Nursingの数章の翻訳を終えた。
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Research Products
(1 results)