2004 Fiscal Year Annual Research Report
癌治験の被験者への自己擁護技能教育による危険予測と回避を促すアクションリサーチ
Project/Area Number |
15390676
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
稲吉 光子 北里大学, 看護学部, 教授 (60203212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶺岸 秀子 北里大学, 看護学部, 助教授 (20258883)
諸田 直実 北里大学, 看護学部, 講師 (20210205)
久保 五月 北里大学, 看護学部, 講師 (60348597)
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Keywords | アクションリサーチ / 概念分析 / 被験者擁護 / がん治験 / 新聞報道 / リスク情報 / 危険 / 不安・恐怖 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は(1)アクションリサーチの進展と(2)新聞にみるがん治験に関するリスク情報の傾向としてまとめられる。 1.アクションリサーチの進展 同時概念分析(simultaneous concept analysis : SCA)を用いて、「がん治験の危険予測と回避」とは、どのような看護現象であるかをまず、吟味することにした。SCAは9つのステップで進めるようになっており、本年度までにステップ2まで終了した。ステップ1の「コンセンサス・グループを作る」では、がん専門看護師1人と研究代表者1人の合が毎月1回の定例会を開催した。ステップ2の「分析する概念を選択する」では、「がん治験の危険予測と回避」は「被験者擁護」という看護現象に置き換え、それに関連する4つの概念を選択した。それらの概念は「リスク・ベネフィット評価」「(被験者の)自己擁護」「治験でのインフォームドコンセント」「協働」であった。 2.新聞にみるがん治験に関するリスク情報の傾向 購読率の高い全国紙で、記事がコンピュータによりデータベース検索できるシステムをもつ2つの新聞を選定した。{がんand(臨床試験or治験)}をデータベースから検索し、得られた総記事数は401記事であった。キーワーズを危険度(危険性-安全性)と心理影響(不安・恐怖-希望)の2つの軸に位置づけ、分析した。その結果、「危険-不安・恐怖」の組み合わせが最も多かった。がん臨床試験に関する情報は増加している一方で、危険と不安・恐怖をもたらすというリスク認識を形成する傾向にあった。がん臨床試験に関する致死報道は事件として扱われ、強い影響力を持ち、不信はいったん形成されると強化され、長い時間持続することが推測された。
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Research Products
(3 results)