2004 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおける妊産婦の分娩介助者選択要因と介助者間におけるアウトカムの違い-Skilled attendantとunskilled attendantを比較して-
Project/Area Number |
15390683
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柳澤 理子 信州大学, 医学部・保健学科, 助教授 (30310618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 晋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30158571)
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Keywords | killed birth attendant / 妊産婦死亡 / 受療行動 / 分娩介助者選択 / アウトカム / カンボジア |
Research Abstract |
平成15年度に、海外共同研究者Sophal氏により調査地に導入した出生、死亡、妊娠の登録システムCommunity-Based Surveillance System (CBSS)の精度を、推計数と報告数の比較により確認した。村によって精度にばらつきがみられるため、標本抽出にあたってはCBSSのみに頼らず、調査チームによる妊婦探索を併用することとした。 平成15年度末に質問紙を英語で作成し、クメール語に翻訳、Back translationを行い、プレテストを行った。文化的適応性を配慮して質問紙を修正し、平成16年9月Memot郡において、妊産婦の受療行動および分娩介助者選択に関するフィールド調査を実施した。調査監督として、調査地域を良く知る看護師1名、助産師1名を採用した。調査には妊娠出産に関する専門知識が必要であり、また妥当な回答を引き出すためには女性の調査員が適当と思われるため、調査員として助産師学校卒業生を採用した。 調査対象は調査時から3ヶ月以内に出産した女性で、CBSS及び探査により1046人を見出し、この内在宅で調査への同意が得られた980人に対し、質問紙を用いた面接調査を実施した。調査内容は、人口学的及び社会学的背景、妊娠出産歴、妊娠〜産褥期の異常の有無と異常時の受療行動、分娩介助者選択とその関連要因であった。妊娠出産に伴う異常の内、妊娠中の出血、分娩時及び産後の多量出血、遷延分娩、産褥期の高熱、痙攣の5病態をpossible life-threatening conditions (PLTC)と設定した。PLTCを経験した女性の中から、特に重篤な病態にあったと思われる女性を抽出し、平成16年12月に追加面接調査をおこない、異常の発生と進行状況、受療行動について、詳細な情報を得た。追加面接では女性の語りがデータの中心となるため、了承を得た上でこれを録音した。 量的なデータは入力を終え、今後SPSSを用いて受療行動関連要因の分析と分娩介助者選択要因の分析を行う予定である。質的なデータはクメール語で書き起こし、英文に翻訳、内容分析の手法を用いて分析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)