2005 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおける妊産婦の分娩介助者選択要因と介助者間におけるアウトカムの違い
Project/Area Number |
15390683
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柳澤 理子 信州大学, 医学部, 助教授 (30310618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 晋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30158571)
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Keywords | skilled birth attendant / maternal mortality / health seeking behavior / maternal and child health / cambodia / antenatal care / educational status / accessibility |
Research Abstract |
本研究期間は、平成15〜17年度の3年間であり、本年度はその最終年度にあたる。昨年までに実施した妊産婦の受療行動および分娩介助者選択要因に関する質問紙調査、および重篤な産科異常を経験した女性に対する半構成的面接調査のデータの分析および成果報告が、本年度の活動の中心であった。 質問紙調査は、SPSSを用いて次の手順で分析した。1)skilledおよびunskilled birth attendant(SBA)を選択者間の、人口社会学的データ比較、2)分娩介助者選択要因を、分娩場所(施設vs.施設外)、家庭分娩における実際の分娩介助者(skilled vs.unskilled)、家庭分娩における分娩介助者選択意図(skilled vs.unskilled)、分娩開始後の分娩介助者変更(変更vs.不変)、の4分析で検討。3)施設と施設外分娩との間、および家庭におけるskilledとunskilled birth attendantとの間での、アウトカム比較。アウトカム指標には、産後の多量出血、産後の高熱、新生児死亡、出産満足感を用いた。 SBA選択要因に関しては、施設分娩選択の結果としてのSBA選択要因と、家庭分娩におけるSBA選択要因とは、異なることが明らかになった。施設分娩選択では、分娩経過の異常の認知が最も重要な決定因子であり、女性の教育、4回以上の妊婦健診受診も施設分娩を促進する要因であった。しかし家庭分娩では、1度選択した分娩介助者を繰りかえし利用する傾向がみられ、その影響力はSBA選択よりもUnskilled birth attendant選択の方が大きかった。すなわち家庭分娩におけるSBA促進には、初産婦が重要なターゲットであることが明らかになった。 半構成的面接調査のデータは、内容分析を行い、受診の遅れの3段階(意思決定、移動、病院到着後の遅れ)のそれぞれで受療阻害要因がみいだされた。
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Research Products
(1 results)