2005 Fiscal Year Annual Research Report
西藏自治区-青海省を結ぶ藏族の工芸美術と芸能の文化、その資料と保存に関する研究
Project/Area Number |
15401009
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
服部 等作 広島市立大学, 芸術学部, 教授 (50218509)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 照男 東京文化財研究所, 美術部, 部長 (20124191)
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
笠原 浩 広島市立大学, 芸術学部, 助教授 (10282807)
|
Keywords | チベット / 仏教美術 / 工芸美術 / 芸能 / 青海省 / 表象芸術 / アーカイブ / ヒマラヤ |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績 1.青海-拉薩にいたるチベットの有形・無形文化に関する夏期調査(平成17年7/26〜8/20) 平成17年度1次調査として位置づける本国際共同調査は、服部、奥山(研究分担者)、更〓(青海民族学院)、ならびに韓(市大博士課程生)、および現地研究協力者等の多数の協力のもと、青海省西寧を起点に黄南・果格・玉樹藏族各自治州、四川省徳格経由し西藏自治区の拉薩とその周辺地域、5600kmにおよぶ横断的な行程である。 調査目的は、各地の少数民族にかかわる文化、宗教と習俗を総合的、横断的に調査し、静態的な文化領域としてチベットの宗教に関する荘厳美術と工芸美術、および動態的な文化領域として祭祀、芸能(六月会)、牧民習俗の解明にある。その成果は、寺院の荘厳をささえる工芸美術(金属工芸、仏画、染織工芸),工房,工匠,ならびに画師の調査、上記の各調査地(黄南・同仁県、玉樹・アチェ村)で制作工房を調査し、使用材料、材料-完成品の流通経路、工具、制作品、文化大革命以後の伝統の断絶等について工芸技術の調査で多くの知見を得た。 2.北京、および近郊地域に残るチベットの芸術・文化に関する冬期調査(平成18年3/8〜/15) 2次調査は、北京を中心に周辺の承徳、天津各地の清代皇帝にかかわる建築(故宮・博物院、承徳山荘、天津博物館)を服部、中野、奥山(研究分担者)、白須、および張銘心(中央民族学院)により共同調査をすすめた。特に清朝の歴代皇帝が信奉したモンゴル仏教についての新たな資料発掘ができた。 3.研究成果: 上記の1次、2次調査の結果、青海(旧アムド地方)から西藏(チベット)を結ぶチベット仏教文化が中国・江南、蒙古への伝播ルートに沿った吐蕃時代にさかのぼる歴史・地勢的の伝播とその普及について、またチベット芸術の今日的状況の総括的な把握が出来た。
|
Research Products
(2 results)