2003 Fiscal Year Annual Research Report
図們江圏の居民生活史にみる自然・社会環境の基礎的研究
Project/Area Number |
15401020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 稔弘 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (10333907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 永祐 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00004482)
鹿野 秀一 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (70154185)
宮本 毅 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (90292309)
成澤 勝 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (00180539)
木島 明博 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50161451)
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Keywords | 図們江 / 民族 / 朝鮮 / 環境 / 水質 / 生物 / 経済 / 資源 |
Research Abstract |
平成15年度は現地調査を実施し、各研究分担者の研究テーマに沿ったデータ・資料収集を主に行った。5月に本年度分研究計画の実施について打ち合わせ、準備作業に入った。7月に成澤は延辺で延辺大学等現地機関の協力を取り付けたほか、図們江地域の民間伝承の調査を行った。また菅野(裕)は中央アジアで旧ソ連時代に沿海州から強制連行された「高麗人」の言語実態を調査した。8月に上野は台湾で民国時代中国東北部の民族問題関連の公文書資料を検索・収集した。9月に実施した中国吉林省延辺朝鮮族自治州での調査では、自然各方面の調査・分析で大きな成果を得た。宮本は図們江沿いに分布する10世紀白頭山噴火噴出物についての地質調査を行い、図們江流域の土石流被害が鴨緑江側と比して小さかったと推定した。菊池・鹿野は図們江流域の水質調査を行い、上流部における富栄養化の進行、鉱山区付近での水質汚染、下流域での植物プランクトンの高密度等の状況を解明した。木島は図們江沿流の4地点で生物生息調査を行い、サケの遡上から図們江が過去には重要な食糧供給源であったと推測した。上野と成澤は研究集会を開催し、図們江地域開発とそれによる現地社会の変化、朝鮮民族の精神文化に対する白頭山・図們江等の自然環境や歴史的経験の影響についてそれぞれ内外学者と意見交換を行った。 また繰越し分事業として、平成16年4月に上野は台湾で中口関係資料を収集し、5月に成澤は延辺州で延辺大学等現地関係機関に調査実施への協力を再度取り付け、同時に延辺州における対外経済交流の実態とその影響を調査した。8月に上野はロシア沿海州に入り、中朝口三ヵ国が国境を接する図們江最下流域および沿海域の開発状況を調査し、中口両国間の開発進行状況の格差や制約条件の存在を確認した。また延吉市等で延辺地区の民族史及び図們江流域開発関連の資料収集を行った。
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Research Products
(3 results)