2004 Fiscal Year Annual Research Report
古代エジプト王朝の終焉に関する多角学的研究-衰亡・危機論への提言-
Project/Area Number |
15401023
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川西 宏幸 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70132800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周藤 芳幸 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (70252202)
堀 賀貴 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20294655)
内田 杉彦 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 助教授 (00211772)
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Keywords | 古代エジプト / 衰亡・終焉 / 危機 / 末期王朝 / アコリス / 都市 / 生産・交易 / 精神世界 |
Research Abstract |
4月以降、調査研究を継続し、その成果を6月に英文(24頁)で刊行した。エジプト王朝の衰滅期である末期王朝時代の集落・祭祀・墓制の実態が、発掘調査とそれに基づく研究によって、いっそう明らかになったことが特筆される。 7〜9月にボランティアを含めた総計20名でアコリス遺跡の現地調査を実施した。道の発見があり、集落構成の一端がヴェールを脱いだ。また、争乱の形跡をとどめていたこと、女性と子供に限って集落内に墓が営まれていたことなど、末期王朝時代の実態解明につながる重要な知見が得られた。 帰国後、調査成果の整理・検討を行い、12月に調査団でシンポジウムを行った。ここで問題点を整理し、次年度に向けた調査研究計画を策定した。この間、代表者の川西は、日本で行われた国際シンポジウム(代表者:中近東文化センター川床睦夫)で調査成果を発表した。また、同月に海外共同研究者のマニング博士が来日し、ギリシア語のグラフィティなどの銘字学的資料について多くの教示に与った。 3月に、アコリス出土のアンフォラ・スタンプについて、研究報告(200頁)を英文で公刊した。王朝衰滅後のプトレマイオス朝下の異民族支配の動向について、交易などの面で幾多の新知見を加えた。地中海方面との関連をうかがわせる貴重な資料だけに、学界に裨益するところが大きいと考えている。また、川西は、同月に西アジア考古学会で研究調査の成果を発表した。さらに、発掘資料を持ち帰り、業者に委託してAMS法で年代測定を行った。
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Research Products
(11 results)